近年、海外進出の足掛かりとして、インフルエンサーマーケティングを検討する企業が急増しています。 なかでも台湾・韓国は、日本ブランドへの親和性が高く、SNSによる拡散が期待できる有力な市場です。
しかし、現場では「現地の相場が見えない」「日本と同じ手法で通用するのか」といった不安の声も少なくありません。 そこで本記事では、数多くの海外インフルエンサーをマネジメント、また海外PR案件を実施してきた弊社の視点から、現地のリアルな費用感や、成功のために押さえておくべき注意点を解説します。
- 海外インフルエンサー(KOL)マーケティングとは?
- 海外インフルエンサーへPR依頼する方法
- 海外インフルエンサーへの報酬形態とPR案件の費用相場
- 報酬形態
- 費用相場(台湾市場)
- 海外インフルエンサーPRの主な手法
- ①ギフティング(シーディング)
- ②現地訪問
- ③コラボ商品・プラン開発
- ④公式アカウント・チャンネルへの出演
- 海外インフルエンサーPRで押さえておくべき3つの注意点
- 1. 契約・権利関係
- 2. 言語・文化による「トンマナ」のズレ
- 3. 交渉・運用にかかる見えないコスト
- まとめ:海外PRはプロと進めることで成果と安全性を両立できる
海外インフルエンサー(KOL)マーケティングとは?
インフルエンサーマーケティングとは、SNSや動画プラットフォームで影響力を持つ個人に商品やサービスを体験・紹介してもらい、認知や購買行動につなげる手法です。近年は、テレビや雑誌に代わり、YouTubeやInstagramなどで発信する個人インフルエンサーの影響力が高まっています。
海外PRにおいても同様に、企業広告よりも生活者目線の体験発信が信頼されやすく、特に台湾・韓国では旅行やコスメ、ライフスタイル分野を中心に、インフルエンサーの発信が意思決定に大きな影響を与えています。
また、日本ではGoogle検索が主流である一方、韓国ではNAVER、台湾ではFacebookやThreadsなど、国ごとに影響力のあるプラットフォームが異なる点も注意が必要です。
海外インフルエンサーへPR依頼する方法
海外インフルエンサーへの依頼方法は様々です。
- インフルエンサーに直接DMやメールで連絡する
- インフルエンサーが所属する現地プロダクションに問い合わせる
- 国内の海外インフルエンサーマーケティング会社を利用する
クリエイターへの直接依頼はコストを抑えられる可能性がある一方、語学力や交渉力が求められ、契約やトラブル対応の負担も大きくなります。現地プロダクションを介する場合も、契約内容が複雑になるケースがあるため注意が必要です。
海外インフルエンサーへの報酬形態とPR案件の費用相場
海外インフルエンサーPRの費用に「一律の定価」はありません。フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率やコンテンツ内容、二次利用の有無などによって金額は大きく変動します。 ここでは主な報酬形態と、市場ごとの傾向、具体的な費用の目安を解説します。
報酬形態
- ギフティング型(商品提供のみ): 費用は抑えられるが、投稿の確約が難しく、訴求力が弱くなる傾向がある。
- 固定報酬型: 最も一般的。
- 成果報酬型: 売上など成果に応じて報酬を支払う形式。
費用相場(台湾市場)
実際に弊社(CAPSULE)が台湾で案件を進行する際の、肌感覚としての費用目安をご紹介します。
※あくまで目安であり、クリエイターのジャンルや時期により変動します。
プラットフォーム | フォロワー規模 | 費用感(目安) | 特徴 |
Instagram | 5万〜10万人 | 約30万円 前後 | マイクロインフルエンサー層。特定のジャンルに特化しており、コスパが良い。 |
Instagram | 10万〜20万人 | 約50万円 前後 | 認知拡大と獲得のバランスが取れた層。 |
YouTube | 20万人規模 | 約100万円 前後 | 特定分野にて非常に高い影響力を持ち、大きな拡散力が見込める。 |
YouTubeは登録者5万人以下の場合、費用は抑えられますが検索流入や拡散力が弱く、費用対効果が見えにくくなるため注意が必要です。
また、台湾のPR案件は日本と比較すると割安〜同等水準で実施しやすく、日本のブランドやIPへの好感度も高いため、テストマーケティングに適しています。
韓国や香港となると、日本と同等、あるいはそれ以上の単価になるケースが増えています。
💡CAPSULEでは、単なる「フォロワー数×◯円」といった計算法ではなく、クリエイター個々のエンゲージメント実績やクライアント様のご予算に応じ、最も成果につながるプランニングと交渉を行っています。
海外インフルエンサーPRの主な手法
海外PRで活用されるインフルエンサー施策には、いくつかの手法があります。
①ギフティング(シーディング)
ギフティングは、商品やサービスを無償で提供し、インフルエンサーにその体験や感想をSNSで発信してもらう方法です。自然なレビューやクチコミが生まれやすい点が特徴です。投稿の内容はインフルエンサーに委ねられるため拡散の保証は難しいものの、比較的取り組みやすく、費用を抑えつつナチュラルな認知を狙いたい場合に効果的な手法です。
🍕ギフティング事例:ピザハット 台湾・ハロウィンキャンペーン
2023年ハロウィンシーズンに台湾のピザハットが展開したキャンペーンでは、限定ピザ「ゴースト腸粉鶏足ピザ(幽靈腸粉鳳爪比薩)」の話題化を目的に、CAPSULEが企画設計を担当しました。
- 20人以上のインフルエンサー(KOL)を選定し商品を無償提供、先行試食&SNS投稿を実施。
- Instagram Reelsなど短尺動画での発信や、怪談系ポッドキャスト『偷聽史多利』とのコラボ企画など、単なるレビュー以上の体験型コンテンツを発信
▶ 事例詳細
②現地訪問
店舗やイベント、観光地などにインフルエンサーを招き、空間やサービスの体験そのものを発信してもらう施策です。写真や動画で臨場感を伝えやすく、実際の利用シーンや雰囲気を含めたリアルな情報を届けられる点が強みです。来場体験に加え、他の来場者やスタッフとの交流を含めた発信も可能なため、地域密着型のプロモーションや体験価値を重視した訴求に効果的で、観光地の魅力発信や訪日インバウンド向け施策にも活用されています。
☃現地訪問の事例:福島・茨城 インバウンド観光プロモーション
福島・天栄村インバウンド施策(日本→台湾)
日台ハーフのインフルエンサーが福島県・天栄村を3日間訪問し、温泉宿や酒蔵見学、地域グルメや人気スポットを取材。YouTubeとInstagramで魅力を発信し、自然や文化体験を通じて台湾の旅行検討層から高い反応を獲得しました。
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茨城県観光プロモーション(日本→韓国)
韓国の人気KOL 2組が茨城を訪問し、いちご狩りや提灯作り体験、ゴルフ場・偕楽園などの観光スポットを紹介する動画を制作。YouTubeでの発信を通じて「茨城に行ってみたい」という視聴者の反応を多数獲得しました。
▶ 事例詳細
③コラボ商品・プラン開発
インフルエンサーのセンスや、彼らが抱えるコミュニティの声を反映させた「限定商品」や「特別プラン」を共同で企画・開発する施策です。既存商品を紹介するのではなく、インフルエンサー自身が企画段階から関わることで、「自分たちが本当に欲しいものを形にした」というストーリーを発信できる点が最大の特徴です。その結果、フォロワーの共感や自分事化が強まり、購買意欲の向上や話題化につながります。
💄コラボプラン開発の事例:PARNELL × KOL共同開発プロジェクト
韓国コスメブランド「PARNELL」の台湾市場向けプロモーションにて、「限定コラボセット」を販売。クリエイター自らが開発背景やこだわりを発信することで、高いエンゲージメントと購買意欲を創出しました。
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④公式アカウント・チャンネルへの出演
自社のSNSやYouTubeチャンネルにインフルエンサーをゲストとして招き、第三者視点で商品やブランドを紹介してもらう施策です。企業発信に信頼性や新鮮さを加えることができ、ブランド視点と生活者視点のバランスを取りやすく、継続的なコラボレーションの第一歩としても有効な手法です。
また、インフルエンサー自身のアカウントで投稿してもらう施策と比較すると、出演費のみで実施できるケースが多く、費用を抑えやすいというメリットもあります。一方で、発信の主体はあくまで自社アカウントとなるため、インフルエンサーのフォロワー層へ直接リーチしにくく、拡散力は限定的になる傾向があります。
🎮公式チャンネル出演事例:台湾SEGA「ソニックスーパースターズ」
台湾SEGAでは、インフルエンサーを公式コンテンツに起用し、ゲームの魅力を第三者目線で紹介。ブランド公式発信でありながら、親しみやすさとリアリティを両立させたプロモーションを実施しました。
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海外インフルエンサーPRで押さえておくべき3つの注意点
海外インフルエンサー施策は国内と勝手が異なる部分が多く、事前の確認不足がトラブルに繋がるケースも少なくありません。特に注意すべきポイントを3つに整理しました。
1. 契約・権利関係
投稿された素材(写真・動画)を自社サイトや広告で二次利用できるか、その範囲(WEB・店頭・期間)と追加費用の有無を契約前に明確にする必要があります。 また、期間中の他社商品紹介を禁止する「競合排除」についても確認が必須です。国やクリエイターによっては受け入れられない場合や、別途オプション費用が発生するケースが一般的です。
2. 言語・文化による「トンマナ」のズレ
現地の流行や言葉選びが、必ずしも日本側のブランドイメージと合致するとは限りません。「現地では自然な表現」でも、日本企業から見ると違和感がある…といったニュアンスの不一致は頻繁に起こります。 単なる翻訳だけでなく、現地の商習慣や文脈を理解した上でのディレクションが不可欠です。
3. 交渉・運用にかかる見えないコスト
言語の壁はもちろん、レスポンスのスピード感や商習慣の違いにより、調整業務には想定以上の工数がかかります。 細かな修正指示や契約条件のすり合わせが長期化しやすいため、余裕を持ったスケジュール設計と、粘り強いコミュニケーション体制が必要です。
まとめ:海外PRはプロと進めることで成果と安全性を両立できる
海外インフルエンサーマーケティングは、台湾・韓国をはじめとした市場で大きな可能性がある一方、日本とは異なる相場感や契約慣習への理解が欠かせません。費用だけで判断すると、条件調整や契約面で想定外コストが発生することもあります。
そのため、海外PRではインフルエンサー選定や条件・費用交渉、契約管理まで含めた全体設計が重要になります。CAPSULEでは、台湾・韓国を中心に、海外インフルエンサー施策を企画から実行まで一貫して支援しています。
海外向けPRをご検討中の場合は、まずはお気軽にご相談ください!
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