日本において利用経験者が1年半で倍近く上昇するなどマッチングアプリを使う若者が急増していますが、台湾でも若者を中心にマッチングアプリが積極的に利用されています。
今回は台湾のマッチングアプリ事情について、台湾での市場の状況から具体的に使われているサービス、ユーザーの特徴、そして日本と異なる点などお伝えしたいと思います!
参考:日経doors マッチングアプリ利用者率 1年半で3割から6割へ急増
台湾のマッチングアプリ市場の状況
台湾マッチングアプリ市場とマーケティング
台湾におけるマッチングアプリは、2012年に世界最大級のマッチングアプリ「Tinder」が台湾に進出したことから活発化し、現在は台湾発のアプリだけでなく他の国地域のマッチングアプリが台湾では利用されています。
その中でも、台湾発のマッチングアプリ「Eatgether」社は注目のスタートアッ企業の一つです。2016年にリリースしたアプリは2020年には会員登録100万人突破。今後は2020年度を目標に東アジア最大のマッチングアプリを目指して、現在香港とマカオへの進出を計画中しています。
台湾におけるマッチングアプリのマーケティングの特徴として、全体的にメインターゲットである若者と相性が良いインフルエンサーを活用してプロモーションを行っています。
そしてこのときに恋愛系を取り上げるインフルエンサーだけでなく、趣味に特化したインフルエンサーとも一緒にコラボレーションを行うのも特徴の一つです。実際にゲーム系やDIYなどをメインで発信するインフルエンサーとYouTubeでコラボレーション動画として紹介する事例も多く見受けられます。
参考:台灣最大聚會交友平台Eatgether慶百萬會員 10大網紅來助陣
台湾で流行ってるマッチングアプリのランキングを箇条書き
台湾におけるマッチングアプリは、利用目的や特徴で棲み分けがされています。
世界的にマッチングアプリの先駆けとも言える「Tinder」は台湾でも利用者数が多く、さまざまな年齢層や職業など幅広い層が利用している王道のサービスの一つです。台湾でTinderを利用する方の中には、海外の方との出会いを求めてTinderを利用する方もいる傾向があるようです。
日本発のマッチングアプリ「Pairs」も台湾で非常に人気のあるアプリで、台湾でのマッチングアプリ利用者数ではNo.1を記録しています。若い層を中心に利用されているアプリは「wetouch」という台湾発のアプリです。特徴としては学校別に分類されているため、そういった要素から高校生から大学生を中心に利用されています。そのため友だち作りの為にも使われている側面があるようです。
台湾以外のマッチングアプリも多く進出しており、キツネのアイコンが印象的な中国発のマッチングアプリ「探探(Tantan)」は、機能など基本的に男女ともに無料で使える点などもまさに”中国版Tinder”といった内容のサービス。「今アツいマッチングアプリ」というキャッチフレーズのもと、最近台湾でも広告もよく見かけるようになりました。
同じく広告に力を入れていて、多くのインフルエンサーとのコラボレーションも行っているのが「omi」という香港発祥、シンガポール発で東南アジアでは圧倒的人気を誇るアプリ「拍拖 Paktor」も台湾に進出しているマッチングアプリとなります。
そして恋愛だけでなく、結婚までを視野に入れた人向けのアプリも豊富です。「緣圈」は結婚を前提として相手を探す人が多くいるアプリとされており、結婚適齢期である30代以上が主な利用者です。柴犬がアプリのアイコンになっている「Pikabu」や男性は月額費用が必要な「SweetRing」も同様に真剣に相手を探す目的で使う人が多く、どちらも台湾発のアプリとなります。
こんなものも!?変わり種マッチングアプリも
「寝る7分前に、あなたの”おやすみ”が聞きたい」というロマンチックなキャッチコピーが印象的なのが「Goodnight」という台湾発のサービスです。このキャッチコピーが示すようにこのアプリの特徴は「会話のみ」でやりとりを行うマッチングアプリで、日本でも若者を中心に話題となった「斉藤さん」という音声アプリと似たサービスになります。
そして台湾発の変わり種アプリで今人気なのが、台湾のスタートアップ企業が開発した「Eatgether」というマッチングアプリです。このアプリは一対一の出会いだけでなく、新しいコミュニティの場を提供・形成するのが特徴です。「Eatgether」は機能の一つとして、コミュニティを企画した人に対して評価ができる機能があります。そのため、コミュニティを主催する人がどんな人なのか他者の評価から事前に知ることができるため、安心して参加できるだけでなく、質の良いコミュニティが保たれるという点で人気を集めています。
実際にこの「Eatgether」とコラボレーションした三原JAPANの動画を見ると様子が分かりますので、是非ご覧ください。
参考動画:三原JAPAN 揪交友軟體正妹約會一起大胃王挑戰200個壽司!最大難關幫手登場超感動!ft. 聚會交友Eatgether
台湾マッチングアプリユーザーの特徴
台湾でのユーザーの認知度と利用目的
台湾におけるマッチングアプリの利用状況ですが、2017年に台湾のトレンド調査会社が調査した結果によると、69%がマッチングアプリについての認知度があり、その中の半数以上が実際に利用した経験があると回答しています。
また、新型コロナウイルスの影響で人と人との接触が極端に減少した2020年は、台湾でのマッチングアプリの利用者はなんと3倍近く増えたという結果が出ています。世界的に展開しているマッチングアプリ「Tinder」の2020年の3・4月の台湾地区の利用者だけを見ても、新型コロナウイルスの感染が広がる前と比べると4倍近くになったというデータが出ています。
そしてこれらも単に異性との出会い目的というわけではなく、台湾発の会話型マッチングアプリ「Goodnight」の調査によると「単に誰かとしゃべりたい」ということで、同性同士の単なる”おしゃべり”に使われてた場合も多かったようです。
参考:東方快線研究部 尋找你的真命天菜! 交友軟體使用族群大揭密
寂寞、不安、疏離...... 從大數據看疫情下台灣交友軟體用戶的真實心情
不怕疫情,聲音讓我們更靠近!2020 年 Goodnight 兩大交友趨勢觀察
台湾マッチングアプリの利用者特性と広告戦略
台湾におけるマッチングアプリの利用者層ですが、2017年7月の調査結果を見てみると、最も利用されている年齢層として30〜38歳が全体の38%で1位、そしてその次に40〜49歳が30%、20代が22%という結果が出ました。また多くの若者が集まる台北近郊での利用者は45%を超えています。
またアプリを使っていない方が「マッチングアプリに対して何が不安なのか」という問いに対しては「詐欺にあうこと」が59%、「個人情報漏洩」という人が49%、「写真などアプリに掲載されている嘘の情報にだまされること」が42%と、マッチングアプリで出会う人自体に心配をしている人が多いようです。
実際に台湾で展開されている各アプリは会員登録に厳格な審査制度やプライバシー規定を設けているところも多く、これからマッチングアプリの利用を増やすためには非利用者が抱えているマイナスイメージを払拭する必要があります。
その対策として、台湾の各マッチングアプリは利用者層と相性がいいインフルエンサーなどを使って使用の注意事項を呼びかけながら、なお且つ不安を解消するようなプロモーションを行っている事例も多く目にします。
参考:東方快線研究部 尋找你的真命天菜! 交友軟體使用族群大揭密
マッチングアプリ=恋愛ではない?現地と広告から見る台湾マッチングアプリ事情
日本においてマッチングアプリというとどのようなイメージがありますでしょうか?2019年に日本の情報サイトが「マッチングアプリの利用」に関して行った調査によると、マッチングアプリを使う目的は「恋人を探すため」「婚活」などの恋愛目的が上位を占めるように、マッチングアプリ=恋愛 のイメージが強いかと思います。
しかし台湾で行われたいくつかの調査資料を見てみると、もちろん恋愛目的もあるものの「友だちを探すため」といった理由も上位で見られるのが特徴的です。実際に現在CAPSULEで働く台湾で暮らす現地スタッフも、友だち作りのためにマッチングアプリを使い分けることもあるようで、日本とマッチングアプリのイメージが少し異なるようです。
特に友だち作りのイメージが強いのが台湾発のマッチングアプリ「Eatgether」です。サービスページを覗いてみると「タイ料理ランチを○○駅周辺で食べませんか?」「週末バドミントンをしませんか?!」「カードゲームで遊びませんか(出会い系目的は厳禁)」「日本語限定でカラオケしましょう!音痴でも日本語レベルも心配しなくて大丈夫!」などのサークルような募集がたくさん並んでいました。
このような利用者の傾向を踏まえて「Eatgether」以外のマッチングアプリでも「一緒に山登りをできる人を見つける」「新しい友だちをアプリで探して、相手が好きな爬虫類カフェに行く」などというプロモーション事例も王道のパターンとなります。
参考:【マッチングアプリの調査データ】アプリで10人中7人は出会い 1人は結婚している!(PRTIMESより)
カプセル×マッチングアプリ事例ご紹介
多くの人気クリエイタが所属するCAPSULEでも、所属クリエイターとマッチングアプリとのコラボレーション事例があります。
その一つが台湾でモデルとしても活動し、若い女性からの人気を集める日本人インフルエンサーTommy。「TommyTommyJapanチャンネル」を開設後、半年で登録数が30万人越えするなど勢いに乗る人気クリエイターです。そのTommyとマッチングアプリ「SweetRing」のコラボレーション動画では、仮想の恋愛大学の研究員に扮して登場。アプリの使い方はもちろんのこと、「台湾人女性にどんなメッセージを送ったら一番多く回答がもらえるか」というテーマでz検証を行っています。さまざまな検証の結果「本気で恋人を探したい人には最適なアプリである」という点で「SweetRing」を紹介しています。
まとめ
台湾におけるマッチングアプリのデータや広告、実際に台湾のマッチングアプリを利用しているスタッフの声から、台湾のマッチングアプリについてご紹介しました。今回筆者が最も驚いたのが、日本と台湾ではマッチングアプリのイメージが少し異なる点です。
このように日本と同じサービスやプロダクトが台湾をはじめとする海外に進出する場合、現状の市場でどのようなイメージを現地の人が持っているか理解した上で、の国や地域で利用する人々の特質や文化まで把握しておく必要があります。そのため、改めて海外市場を調査する場合は、現地の利用者の声も含めて調査をおすすめいたします。
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