日本でも、生活になくてはならないECサイト。わたしの住む台湾でも同じようにたくさんのECサイトが利用されています。
今回は台湾での生活に密着しているECサイトについて、2020年5月に台湾で発表されたこちらのECサイト利用者ランキングに基づいて、台湾ECサイト市場の概要や各ECサイトの特徴を紹介します。
・台湾ECサイトの市場規模について
・台湾ECサイト利用者数ランキング
・台湾発から日系まで!台湾ECサイト事情
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台湾ECサイトの市場規模について
①台湾ECサイトの年間売上推移
台湾のECサイトの市場規模をデータで見ると、2018年(107年)は1,894億台湾ドル(約6,800億円)となり、赤線グラフから、売上金額が年々増加しているのがわかります。
②台湾ECサイト市場の特徴とは?
日本のECサイトの利用者ランキングを見ると、Amazonジャパンと楽天市場のふたつが拮抗していますが、実は台湾にはAmazonが進出していません。そして日本と異なるのは、中国系のECサイトである「タオバオ(淘寶)」や韓国系ECサイトの「Gmarket」など、目的によって使い分ける人がいる点です。
また、ドラッグストアやスーパーのECも発展しており、かなり細分化された専門的なジャンルのECサイトが発展しているのが、台湾のECの特徴です。
参考:通販新聞ダイジェスト
③台湾の中古ECサイト事情
台湾の中古ECサイトでは、主にスマートフォンの売買が多く、電子機器やパソコン周辺機器など、いわゆる台湾で「3C」と呼ばれているものが主に、売り買いで利用されています。利用者は男性よりも女性の方が多く、年齢層は全体の約60%が20代〜40代に偏っていることから、今後中古EC市場の成長が予想されています。
また台湾スタッフによると、大学生たちはFacebookの専用ページで、大学の教科書の中古売買なども行っており、同じ大学内や近隣の大学などのコミュニティ内で、やりとりも行っているとのことでした。
台湾の中古ECサイトは、主に「Carousell 旋轉拍賣」や「蝦皮購物」などが使われています。「Carousell 旋轉拍賣」は、シンガポール発の中古品を中心に扱うECサイト。日本でいうと「メルカリ」のような形で、洋服などの出品もありますが、中には無料で出品し、直接落札者に手渡す形などの出品方法も見られるのも大きな特徴です。
「蝦皮購物」は、新品の販売が大多数を占め中古販売は一部のみ行われている、というのが現状です。
参考:二手手機市場正夯,拍賣網站統計 2019 Q1 二手智慧型手機交易額爆增 1815%
台湾ECサイトの利用者数ランキング
台湾ECサイトの利用者数ランキング、ベスト3位を順番に見ていくと、こんな感じになります。
1位:Shopee
2位:PChome
3位:momo
1位の「Shopee」が大きく上回るデータとなっておりますが、それぞれの詳細を見ていきましょう。
①台湾ECサイト利用者1位!個人出品型の「蝦皮購物(Shopee)」
利用者数でいうと台湾でいちばん利用されているのが、シンガポール初のECサイト「蝦皮購物(Shopee)」。台湾ではよく「蝦皮」と呼ばれていますが、個人で出品できるのが最大の特徴。また、新品から中古品まで購入できるため、「あのサイトで売っていなかったから蝦皮で探そう」という使い方をする人も多いのだとか。
しかし、利用している台湾人スタッフによると、個人が販売していることもあり、ときどき偽物がサイト上に出回っていたり、中国人出品者が台湾からの出品を偽っていたことが判明したりなど、トラブルがあることも多いそうです。
ですが、日本をはじめとする海外にあるものを代理購入をして送ってくれる出品者や、「あつまれどうぶつの森」のアイテムをサイト内で販売し人気を集める人もいるなど、個人が簡単に出品ができる点や、幅広い商品を扱っていることから、台湾で多くの人が利用しているECサイトになります。
参考:蝦皮購物(Shopee)
②最短6時間で配達!利用者2位「PChome網路家庭平台」
「台湾のAmazon」といっても過言でない、台湾最大の大手ECサイト「PChome網路家庭平台」。台湾では一般的に「PChome」とよばれるこのサイトの特徴は、配達スピード。「PChome 24h購物」という専用ページで購入したものは、台湾全土でも24時間以内、台北市内に限っては6時間で配達されます。
また、490台湾ドル(約1,800円)以上の買い物で送料も無料に!台湾のECサイトで最大の在庫数を有していることから、我が家も含めてたくさんの台湾人が日常的に使っているECサイトです。
③コスメブランドなどが充実!利用者3位の「momo」
台湾を代表する大企業「富邦グループ」の傘下にあるECサイト「momo」。12時間以内の配送を目玉とし、生活用品、コスメ、家電など生活に密着したあらゆるものが販売されています。
台湾人スタッフによると、韓国コスメなど、ほかの台湾ECサイトであまり見かけない商品が置いていることが多いとのこと。実際にサイトを見てみると、台湾だけでなく日本や欧米などのコスメブランドが、momo内で直営店を構えているなど、女性をターゲットにしている印象が強いです。
参考:Top 10台灣十大網路購物電商平台排名(2020.05最新)
台湾発から日系まで!台湾のECサイト事情
①台湾のその他ECサイトについて
台湾で利用者数が第4位であり、台湾の大手ECサイト「PChome」とアメリカのECサイト「eBay」が共同で立ち上げたサイトです。台湾最大のオークションサイトとして有名ですが、生活用品など日用品の購入も可能。2019年からは「eBay」や日本の「楽天」の商品を、「露天拍賣」のプラットフォームから購入が可能になりました。
台湾で利用者数第5位であり、日本と同じようにオークションサイトである「Yahoo拍賣」や、店舗から直接購入できる「超級商城」、Yahooが出品者となっている「購物中心」など、カスタマーニーズにあわせて細やかにサイトが分類されています。
最初は、台灣発のオンラインブックストアとしてスタートした「博客來」。台湾人スタッフによると「本をネットで買うなら博客來」を連想するほど、本を売っているイメージが強い会社です。しかし現在は、化粧品や文房具などの生活用品や家電も販売しています。
またサイト内に、無印良品やスターバックス、ダスキンの直営店が出店しており、スターバックスのグッズなどは、店頭で購入するよりすこし、安く手に入ります。会員登録をすると、様々な会員特典を設けており、毎月7日には会員限定割引DAYとして、会員レベルによって10%~15%の割引を設けています。
テレビ局などを持つメディア系会社が運営しているECサイト。「テレビショッピング」という商品紹介タグの存在が、ほかのサイトと大きな違い。そのなかにはダイアモンドなどの高額商品なども多数販売しています。
ドラッグストア系
台湾の街角でよく見かける、香港発の「屈臣氏(Watsons)」と、台湾発のドラッグストア「康是美(COSMED)」は独自のECサイトを運営。インターネット購入特典なども設けています。
②若者に人気!中国系ECサイト「タオバオ」
中国のアリババが運営する中国最大のECサイト「タオバオ(淘寶)」は、台湾にも進出しています。商品が安く購入でき、到着も早いことから、台湾では若者を中心に人気を集めています。
年に何度かセールが開催されていますが、そのなかでも中国で、「ECサイト爆買いの日」とされる11月11日の独身の日にあわせたセール時は、台湾でも大量に購入する人が多く、そのときは商品到着まで時間がかかるようです。
③あのサイトが台湾に進出!日系ECサイト
日系ECサイトでいうと、「樂天市場」が台湾にも進出しています。特徴は日本の商品を多く扱っている点です。日本の商品の代理購入やホテルの予約も可能で、同じく台湾に進出している「ニトリ」の直営店もサイト内にあるなど、日本の商品を買いたいなら探しやすいECサイトになっています。
また楽天は台湾で旅行、電子書籍事業やクレジットカード事業なども行っており、また今年から台湾のプロ野球チームを買収してオーナーになるなど、幅広いジャンルで進出しています。
参考:台灣樂天集團服務
まとめ
今回は台湾のECサイトについてご紹介しましたが、日本と同じように多くのECサイトがありますが、それぞれに特色があり、わたしも含めて台湾で暮らす人たちは、目的ごとに使い分けています。
ECサイトは、台湾に長期滞在をしないとなかなか利用する機会がないと思いますが、コアな台湾事情としてお役に立ててれば幸いです。
参考:Top 10台灣十大網路購物電商平台排名(2020.05最新)
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