インターネットで世界中の様々な情報が手に入る時代ですが、アプリとなるとその国や地域の生活に関連した独自のアプリが多く発展しています。
この記事では、台湾の最新ダウンロードランキングと実際に台湾で使われている人気アプリをご紹介したいと思います。
・台湾のアプリ市場の特徴や日本との違いとは?
・台湾の若者がダウンロードしてる人気アプリは?
台湾のアプリ市場の特徴や日本との違いとは?
①2019年台湾アプリダウンロードランキング
台湾人のスマホ普及率は高く、2019年の調査では、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで、インターネットの使用率が90.2%という驚きの数字が出てきます。
このように高いインターネットの使用率を誇る台湾において、Apple社による2019年のアプリダウンロードランキングをみると、なんと1位が「foodpanda」、2位に「Uber Eats」というデリバリーサービスが上位を独占。
こちらの記事でもすこし触れましたが、台湾はもともと外食文化が盛んであり、ここ数年でデリバリーサービスを利用する人が急増していることから、このような結果につながったと考えられます。
そのほか3位に「YouTube」と、台湾人の生活にYouTubeが浸透していることが分かります。台湾のスーパーマーケットである「全聯福利中心」のアプリも上位にランクインしていることから、台湾人の生活が垣間見えるランキングとなっています。
また、台湾でいちばん使われてるコミュニケーションアプリは「LINE」で、その他にもTOP20には「Messenger」や「WeChat」もランクインしています。SNSアプリは日本でもお馴染みの「Facebook」「Instagram」はもちろんのこと、写真共有アプリの「Snapchat」、自分そっくりのアバターが作れるアプリ「ZEPETO」が入っています。
日本と台湾が大きく異なるのは「Twitter」の存在。日本ではユーザー数が多いTwitterですが、台湾では上位20位にも入っておらず、実際に台湾に住んでいても、Twitterを利用している人はあまり見かけません。
参考:App Store 2019年ダウンロード数ランキング(台湾)
台湾の若者がダウンロードしてる人気アプリは?
①台湾の人気SNS系アプリ
現在台湾の若者のあいだで、いちばんよく使われてるSNSアプリ。日本の若者とおなじように「インスタ映え」が大好きな台湾人。映えるスポットやカフェに行って、Instagramでシェアするのが大好きです。また、なにか情報を入手する手段としても使われており、検索手段としてハッシュタグを利用し、グルメや旅行ちを探すことも多いです。
台湾の若者のあいだでは、Facebookを近況報告として使うことは少なく、飲食店のホームページや中古品の売買、家の貸し借り、ゲームの交流グループなど、グループページのために利用する人がとても多いです。また、企業も積極的に公式Facebookページを運営しており、Facebookのライブ配信機能を使って商品を売ることもよく目にするなど、すこし日本と異なる形でFacebookが使われているのが、大きな特徴です。
おもに台湾の大学生や若者が利用している匿名SNSサイトです。特徴としては、大学の学生証があれば国を問わず登録でき、アニメやファッション、コスメ、仕事、ホラー、YouTuber、グルメなど、たくさんのジャンルの掲示板が乱立しており、各大学専用の掲示板で情報交換されています。
また、マッチングアプリのような機能もあり、ほかのユーザーのプロフィールが毎日ランダムで表示され、お互いに友達申請を出すとマッチング成立となり、個人メッセージのやりとりができます。このマッチング機能で友達作りはもちろんのこと、これがきっかけで出会い結婚したカップルが、Dcard上の記事で登場し話題になりました。
台湾でいちばん大きい匿名掲示板サイトで、ユーザー登録数は150万人以上、2万個以上の違うテーマの掲示板を有している「台湾版2ちゃんねる」です。アプリではなく、ブラウザでの利用が多いSNSですが、インターネット上の論争においては、台湾で最も影響力のあるといっても過言ではないサイトで、多くの企業や政治家も注視しているといわれています。
内容によってスレッドが荒れることも多いですが、2チャンネル同様、ここからたくさんのネットスラングが生まれ、いまでは多くの台湾人が知っている言葉として定着するなど、台湾ネット文化ではすこし特別なポジションにあるSNSです。
②台湾の生活・写真系アプリ
台湾で最も利用されている人気ECサイト「蝦皮購物」。オンラインショッピングしている人は必ずダウンロードしている人気アプリです。台湾は2018年5月時点で既に1,500万のダウンロード数を記録しています。
CtoC、BtoBtoC、BtoCの3パターンでサービスを展開しており、台湾ではこのアプリ内で気軽に購入でき、商品の販売も簡単にできるイメージを多くの人が持っているようです。とくに毎年11月11日の「独身の日」(光棍節)には、お得なクーポンを発行したり、芸能人を呼んでライブ配信を行うなど、さまざまなイベントを開催。
昨年度のこの時期の売り上げが東南アジアを含めた7ヵ国で、24時間で7000万件もの注文が殺到したとして、話題になりました。
カメラアプリ
インスタ映えを重視する台湾の若者にとって、「映える」写真を撮りたい人が多いのですが、そういう背景から、様々な機能を持つカメラアプリは必ずダウンロードされ、次から次へと新しいものがリリースされます。
たとえば、食べ物の撮影に特化した「Foodie」や、少ない加工で自然な仕上がりになると人気の自撮り用アプリ「SODA」など、撮影の目的に応じて愛用してるカメラアプリが多数ダウンロードされています。
台北では「MRT(地下鉄)」のほかに、バスや「Youbike」という公共レンタル自転車がおもな移動手段として使われています。そのバスとYoubikeを使う人が必ずスマホにダウンロードしてるアプリが、バスの現在地がわかるアプリです。
アプリ内で、到着時間の確認などはもちろんのこと、自分が乗りたいバスの位置情報が分かったり、Youbikeに乗りたい時は、レンタルステーションの位置やレンタル可能な残りの台数が分かるなど、大変便利なアプリです。同様のアプリが各社からリリースされていますが、台北に住んでいるのであれば、どれか一つは必ずダウンロードしている生活になくてはならないアプリになります。
③台湾で人気の旅行系アプリ
台湾人が旅行に行くときに、部屋探しや予約に使うアプリはさまざまな種類がありますが、そのなかでも「Booking.com」と「Airbnb」がよく使われています。「Booking.com」は都市部やリゾート地のホテル予約として使うことが多く、ローカルな生活を体験できる「Airbnb」は、2018年7月から2019年6月末までの一年間で144万人の台湾人が「Airbnb」を利用しています。
参考:共享住宅成主流 台灣人1年入住Airbnb破144萬人次
台湾で国内旅行する際には、多くの人が台湾の新幹線にあたる「高鉄」か「台鐵」と呼ばれる一般鉄道を利用します。「高鉄」アプリをダウンロードをすると、QRコードで搭乗することができるのが最大の魅力。
いちどにまとめてチケットを購入したときも、各個人のアプリにチケットのダウンロード可能です。スマートフォン1台で予約から支払い、キャンセル、乗車まで完結することから、「高鉄」をよく利用する方にはとても人気のアプリです。
④台湾で人気のゲーム系アプリ
日本のゲームが好きな台湾人のなかには、日本のAppleアカウントを持っていないと日本のゲームアプリのダウンロードができないことが多いため、日本のアップルアカウントを別に持っているケースが多く見られます。また、台湾人ならいちどはダウンロードしたことがあるゲームアプリといえば、麻雀のゲームアプリです。若者からお年寄りまで、麻雀が大好きな台湾人たちには、オンライン麻雀も大人気です。
あわせて、ここ数年で台湾発のゲームアプリとして人気なのが、ホラーゲームアプリの「返校」です。1960年代の戒厳令下の台湾を舞台に、ローカルな宗教儀式をテーマにしたホラーゲームで、リリースわずか3日でユーザーからの満足度97%と高評価を記録。大きな社会現象となりました。2019年には実写版の映画も公開され、こちらも大ヒットとなりました。
このゲームが台湾で大人気となった理由としては、ゲーム実況の生放送が多く実施されたことも要因として挙げられ、CAPSULEの専属クリエイター「黄氏兄弟」も実況プレイをしたことがあります。
参考:【APP遊戲】宅神爺麻將
:【返校Detention】第一集。困在校園裡的倆人【黃氏兄弟遊戲頻道】
⑤台湾独自の生活密着系アプリ
台湾のお店で買い物をすると、すべての店舗ではありませんが「統一発票」と呼ばれる宝くじ付きレシートをもらいます。当選発表は2ヶ月にいちど行われますが、当選金額は200元(約700円)から最高1千万元(約3500万円)まで設定されており、多くの台湾人はそのレシートを当選発表当日まで大切に保存しています。
そして、日本の財務省にあたる台湾の財政部がリリースしているアプリは、レシートに印刷されたQRコードをスキャンして読み込むと、自動的に当選確認をしてくれるうえに、当選したレシートの換金もまとめてアプリ上で完結できる、とても便利なアプリです。
新型コロナウイルスのある対策がきっかけで、多くの台湾人がダウンロードしたアプリです。日本で厚生労働省にあたる台湾の保健省が2011年にリリースしたアプリですが、マスクの予約購入や販売情報を確認できます。
新型コロナウイルスの影響でマスクの販売を制限されていた時期に、このアプリのマスクのオンライン予約機能をアップグレードしたことで、多くの台湾人がこのアプリをダウンロードしました。
それまでは、薬局に1時間以上並ばないと買えなかったマスクですが、このアプリでの予約機能ができたことで簡単に予約ができるようになり、自宅の近所のコンビニやスーパーでも受け取ることができるようになりました。
参考:全民健保行動快易通
まとめ
いまや全世界の情報がインターネットで見れる時代であっても、日本と台湾ではダウンロードするアプリが大きく異なります。ダウンロードしてるアプリから、台湾人の生活や習慣、そして好みが見えてきます。
時代や生活の変化に大きく影響されるアプリについて、また興味深いものがあれば引き続きご紹介していきたいと思います。