日本人以上にECサイトでのショッピングが習慣化している台湾。ECサイトでも日本商品は不動の人気を誇っています。そこで今回は、最新の台湾ECサイトについて徹底分析。市場規模から人気ECサイトまで深掘りして紹介します。
1)そもそも台湾のEC市場規模は?
日本の経済産業省に相当する台湾経済部統計処が発表した資料によると、2020年インターネットを使用し商品販売を行った企業の売り上げが台湾全体で4兆5,901億元(日本円でおよそ20兆2000億円)にも登りました。
また、実店舗を持たないオンラインのみでの展開を行なっているブランドも数多く展開されており、2021年にはコロナ流行もあり、オンライン限定ブランドが登場して以来最高の成長率24.5%を記録したと言われています。単体の市場売り上げは2021年で4043億元(日本円でおよそ1兆8000億円)にも上りました。
このように日本と比べても圧倒的にビジネスチャンスがあることがわかります。ECサイトでの購入が消費者の間に浸透している証拠ですね。
2)チャンスが埋まっている理由
ECサイトが日本商品がここまで普及することになったのには台湾人の消費行動に合わせたシステム構築や近年の消費行動の変化が関係しています。
利便性が高いコンビニ受取システム
台湾でのECサイトは、効率的な流通システムが導入されているため、多くの商品が注文後即日発送で手元に届くようになっています。
その鍵となっているのは配達、発送方法の工夫です。販売者はコンビニからの発送が可能で、購入者も自宅への配達だけでなくコンビニでの受け取りも可能です。コンビニのように24時間いつでも利用可能な場所を配送の基点と設定することで、販売者、消費者どちら側にとっても利用しやすいシステムとなっています。
量より質の消費者と日本商品
ドン・キホーテ、大手百貨店などが台湾に進出してもなおECサイトで不動の人気を誇る日本商品。その背景には台湾人の消費行動変化があります。
いわゆる爆買いのように「単価の安いものを大量に」よりも近年では「単価は高いが質の良いものを長く使う」という思考に移り変わっています。そのため、日本国産ブランドの電化製品もお土産としての購入が多く見受けられるようになりました。(台湾人が来日した際に絶対買うものは?より抜粋)
希少価値の高い日本国内限定品が人気
コロナ禍で海外旅行も難しい中、ECサイトで人気を集め始めたのは「限定品」。食品などではご当地限定品、食品以外でもインバウンド向けにご当地限定版デザインのものが特に人気があります。
Brunoのホットプレートは今年3月スヌーピーコラボシリーズを発表し大変人気に、海外製品であるDysonのドライヤーも過去には日本限定色のレッドカラーが販売されたことで大きな注目を集めました。
3)人気のサイト比較
続いては実際に台湾で主流とされているECサイト4選を紹介していきます。実際に販売者視点でサイトごとに利便性やターゲットを比較していきましょう。
人気サイト4選
PCHome24購物
ビジネスの規模に合わせて3つのプランを用意。そのほかにも購入者の支払い手数料として発生するサイト独自の関連費用も全体の7%からと、他のECサイトに比べ圧倒的に低く設定されています。
特に一番リーズナブルな24時間以内発送プランでは、PChome自体が販売者の商品を倉庫にて管理することで素早い発送が可能に。発送の速さが特徴です。
Yahoo!超級商城
台湾のYahooショッピングでは、開店する条件として台湾での法人登録、販売商品に対する商標権の保持、20万台湾ドル以上の会社資金などが課されています。台湾ECサイトにて横行している模倣品や偽造品の販売を防止するためだと考えられます。他サイトよりも事前準備が必要になりますがその分消費者の信頼が確立されている点安心できるサイトだと言えます。
momo摩天商城/momo購入網
2004年にテレビショッピングから始まったmomoはECサイト開設後も女性から圧倒的な人気を誇っています。単独商品の販売だけでなく、まとまった数を販売するまとめ売りも特徴的で、今でも多くの女性客が化粧品や生活用品などのまとめ買いを利用しています。そのため、女性ターゲットの商品販売にはマッチしやすいサイトです。
shopee
Shopeeは、中国発のグローバルECサイトで、開店するまでの審査に15日と他のECサイトよりも時間がかかってしまいます。ですが、プラットフォーム自体はシンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンなど東南アジア各国にも進出しており、台湾への進出だけでなく東南アジアなど広い範囲での導入におすすめのサイトとなっております。
海外通販進出をサポートするサービス shopify
実際海外進出するにあたり、デザインやブランディング、ウェブサイトの作成から運営までサポートしてくれるサービスも存在します。市場調査、ウェブデザイナー採用など始動までにかかる時間を大幅に短縮することができます。スピード感を持って海外進出を考えている方はこのようなツールを活用しましょう!
4)新しい取り組み ECサイト×ライブストリーミング×インフルエンサー
先ほど紹介した4サイトは台湾の比較的大規模な人気ECサイトとなります。その競合同士で日々競争が行われている中、ライブ配信で商品販売を行うという新しい動きが始まりました。
ECサイト×ライブストリーミング
各ECサイトの競争率が高まっている中、購入後手元に届くまで実物を見ることができないというデメリットをライブストリーミングで実際の商品の様子を配信することによってカバーするという動きも高まりつつあります。その際に視聴者限定オファーなどを実施することでアピールポイントを増やし購入に繋がりやすいという効果もあります。
ECサイト×インフルエンサー
また、ただ単に商品をアピールするというだけでなく、あるECサイトではインフルエンサーを起用することで集客効果も高めるという試みも行っています。
ライブストリーミングを行うことで集客を行い、元々購買欲が高くない消費者にもインフルエンサーを通してリーチし、商品を見に来るまでのプロセスのハードルを下げる狙いがあります。
実例紹介 momo×在台日本人YouTuber 三原JAPAN
実際に11月10日、台湾での独身の日セールを目前とした日に人気のyoutuber8人を招致したバラエティ番組兼ライブストリーミングが行われました。その中で弊社所属youtuber三原JAPANが出演。momoがECサイトが運営するyoutubeチャンネルにて行われた当番組は14万回再生を記録。出演者たちがチームに分かれてゲームをしながら商品紹介を行いました。
6)まとめ
このように台湾では日本以上にECサイトでのショッピングが普及しています。路面店を展開するよりも遥かに低いコストでリスクも少ないため台湾への進出を考えている方にはECサイトからの展開をお勧めします。台湾にて法人登録を事前に済ませたのち、自社商品やブランドの方向性に合わせて最適なサイトを選びましょう。
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