若者人口が多く、発展目覚ましい東南アジアはSNSの利用率も世界から見ると非常に高い国とされております。Googleの調査によると、東南アジアでは、毎日平均4時間をインターネットに費やしており、その時間は日本の4倍です。加えて、その3分の1の時間をYouTube閲覧に費やしていることから、人々の生活にYouTubeが欠かせないものとなっています。今回はそのような東南アジア向けに発信するYouTuberで主に拠点を日本で活躍している方や、現地で活躍する日本人を紹介したいと思います。
フィリピン
フィリピンは人口が1億903万人の国で、人口の成長率は下降傾向にあるものの、平均年齢が28.8歳と国全体が非常に若い国。YouTubeの利用者数も96%と東南アジア各国の中でもトップになります。公用語の一つが英語であるため、英語発信のYouTubeなども多く閲覧されている。
Fumiya / FumiShun Base
フィリピンで絶大な人気を誇る日本人・Fumiyaのチャンネル「Fumiya / FumiShun Base」は登録者数231万を誇る超人気チャンネルです。語学留学でフィリピンに行き、家族や友人に「生存確認」のためにYouTube上での発信を始めたFumiyaさんですが、フィリピンのある料理を食べる動画がフィリピン国内でバズっただけでなく、国民的人気を誇るリアリティ番組に出演したことで人気が爆発。その後はフィリピンでコンサートを行うなど、現在フィリピンで最も知名度のある日本人と言っても過言ではない人気を獲得しています。現在は地元である静岡県浜松市に拠点を置いており、日本の日本とフィリピンの架け橋となる活動を行なっており、日本帰国後の動画も高い再生回数を維持しています。
JoshuaSalom
フィリピンから留学生として東京の高校に通いながら、日本の留学生生活をVlogとして発信しているチャンネル「JoshuaSalom」。日本の高校生の放課後やクラスメイトと一緒に日本のお菓子を食べるなど、日本の学生生活が垣間見れる動画が人気を集めており、チャンネル登録者数も100万人を突破しています。
動画の内容も、高校の卒業式の様子や友達と焼肉食べにいく動画など日本人のクラスメイトとのやりとりがとても微笑ましく、2021年11月にアップロードした再び日本に戻ってきた動画も高い再生回数を記録しています。
123Japan
日本人女性がフィリピン向けに発信するチャンネルとしてはトップクラスの登録者数を有しているYouTubeチャンネル「123Japan」。台湾を拠点に活動し、アメリカとフィリピンに留学経験のある「三原JAPAN」のマナが英語で発信しています。
フィリピンへ進出後、わずか半年でチャンネル登録者数が5倍以上に伸びるなど、驚異的な成長スピードで登録者数10万人を達成しています。内容は外国人目線でのフィリピン文化の体験や、フィリピングルメの紹介、そして得意のダンスを活かしたカバー動画など幅広いジャンルの動画を公開し、彼女の愛くるしいキャラクターもフィリピンのファンの心を掴んでいます。
インドネシア
人口約2億7,000万人で人口では世界第4位、ASEANの4分の1の人口を占め、日本の5倍の国土を有するインドネシア。他の国と同様、新型コロナウイルスの影響で一時期経済が落ち込んだものの、2018年度から成長率が5%をキープし、2021年はGDP成長率予測は4.1%となっています。そして30歳未満の人口が全体の5割を占めるだけでなく、2040年頃までこの傾向が続くことが予想されていることから、非常に魅力的な市場として世界中から注目されています。
Nihongo Mantappu
早稲田大学の大学院で数学を学んでいる男子留学生ジェローム ポリンさんが日本語や数学の知識、インドネシアの教育について発信するチャンネル「Nihongo Mantappu」。
登録者数が800万人以上超えているということもあり、動画の再生回数が100万回超えだけのものばかり。その影響力の高さから、アメリカの経済誌『フォーブス(Forbes)』のアジア各国で活躍する30歳未満の若者たちを選出する「30 under 30 Asia」にも選ばれており、母国インドネシアでは本の出版や、飲食店を展開するなど実業家としての顔を持つ有名インフルエンサーです。ちなみにYou Tubeチャンネル名の「Nihongo Mantappu」はインドネシア語で「日本語最高」という意味。各分野で活躍する在学生を紹介する早稲田大学の公式ホームページに彼のインタビュー記事も掲載されています。
DAISUKE BOTAK
「よしもと住みます芸人」のアジア版「アジア住みますプロジェクト」でインドネシアで活動していたDaisukeさんが発信しているYouTubeチャンネルが「DAISUKE BOTAK」。日本の有名人のインタビュー動画が大バズりしており、チャンネル登録者数76万人越えの人気チャンネルです。2021年5月に6年住んでいたインドネシアから日本に帰国されましたが、流暢なインドネシア語で日本の情報などを発信しています。
Neo Japan
日本在住のインドネシア人男性と日本人女性の国際結婚カップルのYouTubeチャンネルが「NEO JAPAN」。国際結婚カップルの文化の違いや日常などを発信しています。
動画の内容は日本での生活の様子はもちろんのこと、日本にあるインドネシア文化の紹介、日本人にインドネシア文化を体験してもらう動画も人気シリーズ。動画の中でも仕事を見つけた時の様子や、お子さんが生まれて初対面する動画など感動系の動画は再生回数も多く、500万回再生以上を記録しています。
シンガポール
シンガポールは約560万人、国土面積も東京23区程度でありながら、外国人が人口の3分の1も占める多民族国家。
公用語として英語も採用しており、仕事や学校で使う言語は主に英語であることから、東南アジアの中心地としてではなく、アジアの中心として拠点としてシンガポールに拠点を構える会社も少なくありません。東南アジア、台湾で最大規模のECプラットフォームShopeeもシンガポールに拠点を持つ企業の一つ。
Gjib Ojisan
シンガポールに移住した日本人男性がシンガポールの観光・グルメ情報だけでなく、なかなか辿り着けないようなディープな穴場スポットを英語で発信しているいるチャンネル「Gjib Ojisan(ジブおじさん)」。シンガポールに特化した日本人チャンネルとしては、最も大きいチャンネルです。彼自身も学生時代を海外で過ごし、仕事を辞めた後に世界一周を経験してシンガポールに移住するなど海外経験が豊富なGjib Ojisan。動画ではシンガポールの住宅事情や生活事情だけでなく、現地に進出した日系企業やシンガポールで開催される日本のイベントや商品などの紹介なども行っています。
シンガポール現地メディアにも紹介されており、コメント欄をみてもほとんどが英語。シンガポール現地でも幅広い人気を博しています。
マレーシア
マレー系住民・中華系住民・インド系住民など異なる民族が共に生活している多民族国家であり、経済成長が著しいASEANの中でも経済成長が著しい新興国として期待されている国の一つ。人口は約3200万人で、中央平均年齢も30.3歳と東南アジアの中でも若いだけでなく、YouTubeの使用率も93.7%とSNSのアクティブユーザー率が非常に高い割合を誇る「SNS大国」でもある。
Aki from Japan
マレーシアで働きながらYouTubeでマレーシア生活で驚いたことや観光スポットを紹介するチャンネル「Aki from Japan」。
元英語教師であり、現在は映像クリエイターとして活動しているAkiさんが多くの動画が英語と日本語とあわせて発信しています。
アップロードしている動画のクオリティも高く、まさに「イマ」のマレーシアを最新情報としてアップロードしていることから、見ていて飽きないチャンネルです。
Soya手癢計劃
台湾在住のSoyaが台湾をはじめとする中華圏向けに発信している人気チャンネル「Soya手癢計劃」は、中華系住民も多いマレーシアからの視聴者も多いチャンネルです。留学生として台湾に住み始めたSoyaは明るく天真爛漫なキャラクターが受け、ドッキリ企画や台湾とマレーシアとの文化の違い、そして歌などを発信しています。また本人のオリジナルグッツが発売されるなどの台湾やマレーシアだけでなく、中華圏で多くのファンを獲得しています。
タイ
国民の9割以上が敬虔な仏教徒である国。人口約6600万人、公用語はタイ語で、インドや中国の影響を受けつつも独特な文化が発展しています。日系企業も多く進出しており、アニメなどの日本文化が好きな人も多い国。加えて、タイ独自のエンタメも発展しており、ドラマや映画は東南アジア各国で親しまれているだけでなく、ここ数年日本でも人気が出てきているなど、エンタメ面でも今後注目の国です。
Beam Sensei
日本在住のタイ人で日本とタイ、それぞれの文化や言語について紹介しているのが「Beam Sensei(びーむ先生)」。動画はタイ語と流暢な日本語で両方で発信しているため、日本人とタイ人どちらも楽しめるコンテンツを発信しています。
日本に興味のあるタイ人のファンも多いことから、過去には日本企業とのコラボレーションも多数行っています。
Ayatar
タイ在住でタイ人男性と日本人女性Ayaさんの二人が国際結婚の日常を発信しているYouTubeチャンネル「Ayatar」。以前は日本での二人の生活の様子や異文化体験を投稿していましたが、2021年の5月から拠点をタイに移した後は、タイの生活の様子だけでなく、タイの企業や日本の地方自治体、トヨタとのコラボレーション動画など、インフルエンサーとして幅広く活躍しています。
タイに帰国してから公開された動画はタイ語で会話されている時は日本語での字幕が付いているものが多いため、日本人の方でもタイの生活を楽しめるチャンネルになっています。
ベトナム
2021年における国内総生産(GDP)は東南アジアで最高を記録するなど、経済成長著しい国。人口を1億人近く抱えている市場性や、平均年齢が33.3歳と若年層の労働力人口が豊富であること、雇用コストを抑えるためなど、複数の目的で世界中の企業が積極的に進出しており、世界中のIT企業がベトナムに開発拠点を置いている。
Hang TV - 越南夯台灣
台湾在住の台湾人とベトナム人の国際結婚カップルが発信しているチャンネルが「Hang TV - 越南夯台灣」です。台湾とベトナムの文化の違いや言語についてなど、中国語とベトナム字幕の両方をつけて発信していることからベトナムからの視聴者も多いチャンネルです。とても二人の穏やかな様子、そして生まれたばかりのお子さんの様子が見ていてとても癒されるチャンネルで、台湾企業とのコラボ案件動画も公開後3週間で43万回以上再生されるなど、安定した再生回数を記録しています。
Gokku Egao
現在日本の大学に留学しているベトナム人女性Gokkuさんが普段の生活のVlogをアップロードしているチャンネルが「Gokku Egao」。動画の内容は日々の生活の様子だけでなく、旅行やおすすめアイテムなど様々。
とても可愛らしい世界観のVlogだけでなく、旅行先やおすすめアイテムなど一つ一つ丁寧に説明しているのもファンから支持を集めている理由のようです。
まとめ
東南アジア向けに発信をする人気YouTuberをご紹介しましたが、半年単位で一気に人気クリエイターの仲間入りをするのがYouTubeの世界です。今後も追加情報がありましたら、随時追加にて紹介していきたいと思います。
世界的に見てSNS利用者が多い地域である東南アジアに対して、YouTubeなどを活用したSNSマーケティングを行うのは非常に有効な手段です。しかし同じアジアであっても、東南アジアの各国それぞれでも視聴者の特徴や国民の好み、購買プロセス、顧客対応なども大きく異なります。
そのような背景を踏まえた戦略的なアプローチを検討するのをおすすめいたします。
カプセルでは、東南アジア向けのマーケティングご提案も可能です。単発だけでなく長期的なアプローチもご提案できますので、お気軽にご相談ください。