韓国越境EC市場は“高成長だが変化の激しい市場”
【図表】韓国EC市場のオンラインショッピング取引額の推移(2010–2024)
※出典:Statista「B2C e-commerce sales volume in South Korea from 2010 to 2024」
韓国のオンラインショッピング市場は、2010年の約25兆ウォンから2024年には約259兆ウォンへと拡大し、約10倍規模へ成長しています。人口約5,000万人規模の国としては非常に大きなEC市場であり、オンライン購買はすでに生活インフラの一部となっています。SNSで商品を知り、検索で情報を確認し、そのままモールで購入する流れが定着していることに加え、日本ブランドへの関心も一定数あり、参入余地のある市場といえます。
一方で、日本とは市場構造が大きく異なります。日本のAmazonや楽天市場のように長期的にトップが固定される構造とは異なり、韓国では数年単位で勢力図が変わることも珍しくありません。各モールは会員制度やポイント制度を強化し、ユーザーを自社経済圏に囲い込んでいます。そのため、単純な価格競争では差別化が難しく、プラットフォーム特性に合わせた戦略設計が不可欠です。
本記事では、韓国越境ECで陥りやすい失敗パターンと、成果を出す企業の戦略プロセスを整理します。
- 韓国越境EC市場は“高成長だが変化の激しい市場”
- 韓国主要ECプラットフォームの特徴
- ■ Coupang(クーパン)
- ■ SSG.com
- ■ 11st(イレブンストリート)
- 日本企業が陥りやすい韓国越境ECの失敗パターン
- 失敗パターン① 翻訳+出品で完結してしまう
- 失敗パターン② 価格競争に入ってしまう
- 失敗パターン③ 認知施策を後回しにする
- 韓国越境ECは「認知 → 信頼 → 購買」の設計が必要
- 韓国越境ECで成果を出す企業が実践している戦略プロセス
- STEP1:市場調査とポジショニング設計
- STEP2:プラットフォーム特性に合わせた戦略設計
- STEP3:出店前からの認知・信頼設計
- STEP4:ローンチ初速とレビュー獲得設計
- CAPSULEが提供できる韓国越境EC支援
韓国主要ECプラットフォームの特徴
韓国越境ECを検討するうえで、まず理解しておきたいのが主要モールの立ち位置です。
日本のEC市場とは構造が異なるため、それぞれの特性を把握したうえで戦略を設計する必要があります。
■ Coupang(クーパン)
韓国最大級の総合ECモールで、高速配送サービス「ロケット配送」を強みに急成長してきました。価格競争力とスピードを重視する構造は、日本で言えばAmazonに近いポジションといえます。検索順位やランキングの影響が大きく、初速の売上やレビュー数が露出に直結しやすい傾向があります。価格・配送・レビューの設計が重要なモールです。
■ SSG.com
新世界グループが運営するモールで、百貨店や高級スーパーのブランド力を背景に、比較的単価の高い商材や品質志向の商品に強みがあります。
日本で例えるなら百貨店EC、特に高島屋オンラインストアのような立ち位置に近い存在です。価格だけでなく、ブランド価値や信頼性が重視されるため、世界観やストーリー設計が重要になります。
■ 11st(イレブンストリート)
幅広いカテゴリを扱う大手マーケットプレイス型モールです。出店ハードルが比較的低く、多様なセラーが参加している点が特徴です。価格帯も広く、商材によってポジショニングが大きく変わります。競争環境を踏まえた差別化設計が求められます。
日本企業が陥りやすい韓国越境ECの失敗パターン
韓国市場は成長性が高い一方で、日本企業が思うように成果を出せないケースも少なくありません。ここでは、実際によく見られる失敗パターンを整理します。
失敗パターン① 翻訳+出品で完結してしまう
「まずは出店してみる」
「商品ページを韓国語に翻訳すれば売れるはず」
このアプローチは、韓国市場では通用しにくい傾向があります。韓国では、商品を購入する前にSNSやレビューで情報を収集する行動が一般化しています。売り場に商品が並んでいるだけでは、そもそも認知が生まれません。出品はあくまで“スタート地点”であり、売れる構造を設計しなければ成果にはつながりにくいのが実情です。
失敗パターン② 価格競争に入ってしまう
韓国のEC市場は競争が激しく、価格比較も容易です。そのため、値下げによる差別化を選択する企業も少なくありません。しかし、前章で触れたとおり、韓国ではモールごとの会員制度やポイント経済圏が強く機能しています。単純な価格調整だけでは、ユーザーのロイヤルティを獲得することは難しい構造です。
失敗パターン③ 認知施策を後回しにする
韓国市場では、SNSやインフルエンサーの影響力が購買に直結します。Naver、Instagram、YouTube などを通じて商品が認知され、その後ECモールで購入される導線が一般的です。
特に注意すべきなのが、検索環境の違いです。日本ではGoogleを前提としたSEO設計が主流ですが、韓国ではNaverの利用率が非常に高く、検索結果の表示ロジックも異なります。そのため、日本と同様のGoogle前提のSEO施策をそのまま展開しても、同じ効果が得られないケースが少なくありません。
韓国越境ECは「認知 → 信頼 → 購買」の設計が必要
韓国市場では、購買までに明確なプロセスがあります。
認知:SNSやNaver検索で話題にならなければ選択肢に入らない。
信頼:レビューや体験投稿が意思決定を左右する。
購買:ローンチ初速とレビュー数が露出に影響する。
出品はこの流れの最後の受け皿にすぎません。前段階の設計が成果を左右します。
韓国越境ECで成果を出す企業が実践している戦略プロセス
成果を出している企業は、出店後に対策を講じるのではなく、出店前から一貫したプロセス設計を行っています。ここでは、その具体的なステップを整理します。
STEP1:市場調査とポジショニング設計
成功企業は、まず市場構造を徹底的に把握します。
- 競合分析
- カテゴリートレンドの把握
- レビュー傾向の分析
韓国はトレンドの移り変わりが早いため、単に「売れている商品」を真似るのではなく、自社商品の立ち位置を明確にすることが重要です。市場構造を理解せずに出店しても、ポジショニングは定まりません。
STEP2:プラットフォーム特性に合わせた戦略設計
商材に適したモールを選び、その特性に合わせた戦い方を設計します。
- Coupang 型(スピード・価格競争型)
- Naver 型(検索・レビュー連動型)
では、求められる施策が大きく異なります。プラットフォーム特性を理解したうえで、戦略を組み立てることが成功の前提です。
STEP3:出店前からの認知・信頼設計
韓国市場では、出店日がスタートではありません。成功企業は、モール出店前から認知形成と信頼構築を同時に進めています。
たとえば、SNSでのティザー施策やインフルエンサーによる事前レビュー、Naverブログでの情報露出などを通じて、「見たことがある商品」「気になっている商品」という状態をつくったうえでローンチを迎えます。また、KOLを単発で起用するのではなく、購買プロセスに沿って役割を分けた設計を行います。
認知拡大を目的とした発信、体験レビューによる信頼形成、そしてクーポンやキャンペーンと連動した購買促進までを一連の流れとして設計します。インフルエンサーは単なる広告枠ではなく、検索・レビュー・SNS拡散と連動する「信頼形成の一部」として機能します。
STEP4:ローンチ初速とレビュー獲得設計
韓国市場では、ローンチ直後の動きがその後の露出や売上推移に大きく影響します。
特に初動の売上やレビュー数は、モール内での表示順位や検索結果に反映されるケースも多く、立ち上がりの設計が極めて重要です。そのため、単に出品するのではなく、ローンチと同時に売上を作る仕組みを用意しておく必要があります。
“出品”はゴールではなく、この一連のプロセスの中の一要素にすぎません。
CAPSULEが提供できる韓国越境EC支援
韓国越境ECは個別施策ではなく、全体設計が成果を左右します。
CAPSULEでは、韓国市場に強いクリエイターネットワークを活用し、認知形成からレビュー獲得、売上創出までを一気通貫で設計します。翻訳にとどまらず、市場トレンドや「なぜ今この商品なのか」という消費文脈に合わせてブランドを再構築することで、価格競争に依存しないポジションを築きます。
韓国市場への展開や施策見直しをご検討の方は、お気軽にご相談ください。韓国越境ECに最適なアプローチを、専門的な視点からご提案いたします。
カプセルジャパンが手がけてきた韓国関連の主な取り組み
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