再訪率9割の台湾人旅行者を誘致するには?
台湾市場は、訪日インバウンドの中でも安定した人気と高い再訪率を誇る重要なターゲットです。円安の追い風、LCC路線の再開、そして日本への親近感などを背景に、コロナ禍が落ち着いた今、台湾人旅行者の訪日熱は再び高まっています。
本記事では、台湾インバウンド誘致に取り組む自治体・観光事業者に向けて、現地旅行者の特徴を踏まえた実践的なプロモーションのポイントを5つに整理してご紹介します。
- 再訪率9割の台湾人旅行者を誘致するには?
- 台湾人観光客の特徴
- 台湾インバウンド集客のポイント5選
- ポイント①「2、3回目の日本旅行」で選ばれる体験をつくる
- ポイント②KOLとSNSを起点に共感を獲得する
- ポイント③OTAとの連携で「今すぐ予約できる」導線を作る
- ポイント④ネイティブによる情報発信をする
- ポイント⑤地域全体で「ひとつの旅」をデザインする
- 【事例紹介】ハウステンボス × 台湾・韓国KOL
- 台湾向けインバウンド集客ならCAPSULE
台湾人観光客の特徴
台湾人の訪日旅行には以下のような特徴があります。
リピーター比率 | 約9割 |
旅行形態 | FIT(個人旅行)が主流。周遊型や“自分らしい旅”を好む傾向 |
情報収集手段 | Instagram、YouTube、Facebook等のSNSが中心。KOL(Key Opinion Leader)の影響力が大きい |
予約経路 | OTA(KKday、Klookなど)を通じた事前予約が主流 |
こうした傾向から、単に魅力的な観光資源を用意するだけでは十分とは言えません。台湾人観光客に響くには、「どのように見せるか」、そして「どのように届けるか」というプロモーション戦略が極めて重要になります。
台湾インバウンド集客のポイント5選
弊社が考える、台湾人観光客の特徴を踏まえた、集客の際に意識しておきたいポイントは以下のとおりです。
①「2、3回目の日本旅行」で選ばれる体験をつくる
②KOLとSNSを起点に共感を獲得する
③OTAとの連携で「今すぐ予約できる」導線を作る
④ネイティブによる情報発信をする
⑤地域全体で「ひとつの旅」をデザインする
それぞれ詳しく開設します。
ポイント①「2、3回目の日本旅行」で選ばれる体験をつくる
台湾人旅行者の多くはすでに東京や大阪、京都などの主要都市を訪れており、「次はどこへ行こうか?」と考えています。そんなときに大切なのは、「ガイドブックにのっていない体験」や「その場所ならではの思い出」が作れることです。
たとえば、以下のような体験が考えられます。
- 台湾では貴重な”雪”に関する体験
- 着物を着て日本の古い町並みを歩く体験
- 陶芸や日本酒づくりなどの地方の文化に根ざした体験
こうした体験を、“誰と行くか”(カップル、母娘旅、女子旅など)まで想定してパッケージ化できれば、台湾人旅行者にとって再訪のきっかけになります
ポイント②KOLとSNSを起点に共感を獲得する
台湾では、旅行の情報をInstagramやYouTubeで見て決める人が多いです。特に、自分と年齢や感覚が近いインフルエンサー(KOL)が紹介している場所は、「自分も行ってみたい!」と思われやすくなります。
💡効果的なKOLプロモーションのポイント
- フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率やコメントの内容まで分析をしてKOLを選定
- 空港に着いたところから旅の終わりまでを一本の動画にするなど、「旅のストーリー」を意識
- SNSの投稿にオンライン旅行会社(OTA)へのリンクを直接貼ることで、「いいな」と感じた瞬間の熱量を逃さず、予約へとつなげる
このように、広告ではなく「誰かのリアルな旅の体験」に共感して行き先を決めるのが、今の台湾の旅行スタイルです。SNSとインフルエンサーをうまく活用することで、より多くの人々にリーチし、具体的な行動を促すことができるでしょう。
ポイント③OTAとの連携で「今すぐ予約できる」導線を作る
台湾人旅行者は、SNSで見つけた体験や宿泊施設をその場で予約できることを重視します。特に利用頻度が高いのが以下のOTA(オンライン旅行代理店)です。
プラットフォーム | 特徴 |
台湾発のOTA。アクティビティ、鉄道周遊、ローカル体験に強く、自治体・鉄道会社との商品造成事例も豊富。 | |
香港発のOTA。KKdayと同じくアクティビティ・交通・チケット・体験商品を販売。 | |
LINEアプリ内から使える旅行情報プラットフォーム。KKdayやKlookなど他社OTAの商品も一括で紹介・誘導する機能を持ち、LINEポイントも貯まる。 |
SNS投稿からOTAへのスムーズな導線が設計されていれば、「いいね」から「予約」までの距離を一気に縮めることができます。
ポイント④ネイティブによる情報発信をする
特にインバウンド担当者を悩ませるのは、台湾の公用語である繁体字での情報提供や、SNSで使えるデジタルコンテンツの制作でしょう。ここで最も重要なのは、「単に翻訳すればいい」という考え方からの脱却です。
例えば、日本の「エモい」のような感情表現や、「〜映え」といったSNS特有の言葉は、直訳しても意味が伝わりません。
こうした課題を解決するには、現地の文化や習慣を深く理解したパートナーとの連携が不可欠です。ネイティブの視点と感覚を取り入れた「生きた言葉」で情報を発信することで、台湾の人々の共感を呼び、心を動かすことができるのです。
ポイント⑤地域全体で「ひとつの旅」をデザインする
台湾の旅行者は、単に「どこへ行くか」ではなく、「どう旅するか」「旅全体がスムーズにつながっているか」という体験を重視します。
日本へのリピーターだからこそ、より深く地域の魅力を体験したいと考える一方で、旅の手配にかかる手間や不便さを解消したいと思っています。
そこで重要になるのが、地域全体で連携し、旅の要素を一体化させる「パッケージ化」です。これは従来の団体ツアーではなく、個人の自由な旅をさらに豊かにするための新しいアプローチです。
【事例紹介】ハウステンボス × 台湾・韓国KOL
長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」は、国内旅行客中心の集客から脱却し、台湾と韓国の個人旅行者の新規獲得に乗り出しています。
これまで「昼間のチューリップ」のイメージが強かった同施設ですが、2024年は“夜のイルミネーション体験”を軸に、西九州地域(福岡・佐賀・長崎)の新しい魅力の発信を目指しました。
背景と課題
・国内日帰り客中心で、海外からの旅行客が少ない。 ・「チューリップ=昼の観光地」というイメージが定着している。 ・夜のイルミネーションや宿泊体験をアピールし、滞在日数と単価を向上させたい。
実施した施策
上記の課題を踏まえ、弊社では以下のプロモーション設計と実行を担いました。
- 台湾・韓国のターゲット層(20〜50代男女、カップル、ファミリー)に合致するKOLの選定とキャスティング
- Instagram・YouTube向けの動画企画/制作/公開後対応までワンストップで実施
- プロモーションと連動した予約導線(Klook)やモデルコース構成の設計支援
夜の体験を軸とした魅力発信と、視聴者の心を動かすSNSコンテンツ、そして予約導線の一体化に取り組んだ結果、台湾・韓国市場の個人旅行者に対し、既存イメージを覆す新たな価値を強く訴求することに成功しました。
台湾向けインバウンド集客ならCAPSULE
台湾の旅行者は、心が動いた瞬間にすぐ予約できる旅を求めています。そのため、共感を呼ぶコンテンツと、スムーズな予約導線の両方が不可欠です。
しかし、これを自前で実現するのは簡単ではありません。成功の鍵は、台湾の人々の感性を深く理解し、心を動かすプロモーションを設計できるパートナーとの連携にあります。
私たちCAPSULEは、KOLのキャスティングからコンテンツ制作、SNS運用、OTA連携までを一貫してサポート可能で、これまで800社以上の実績があります。
「何から始めればいいか分からない」「以前の施策で成果が出なかった」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。