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これからのトレンドって?台湾インフルエンサーの現状を調べてみた

Aika TACHIBANA
Posted by Aika TACHIBANA on Aug 6, 2021 7:00:00 PM

日本だけでなく、世界中でインフルエンサーを使ったマーケティングが一般化してきていますが、国と地域のよって生活やどのSNSが人気があるかが異なります。そのため日本と文化的にも近いとされている台湾の状況を見てみると、Instagramなど似ている部分はあるものの、それでも状況が異なりますので、注意が必要です。
今回は台湾のインフルエンサーの現状について、台湾と日本が異なる点などを中心に現状をお伝えしたいと思います。

・プラットフォーム別!台湾インフルエンサーの現状

・台湾インフルエンサーを取り巻く環境の変化とは

 

プラットフォーム別!台湾インフルエンサーの現状

YouTuber

YouTube_1

テレビの視聴率が低い台湾では、政府も毎日YouTubeチャンネルで情報発信するYouTubeという媒体の影響力をさまざまなところで感じます。そのためYouTubeのチャンネル登録者数100万人越えの人気クリエイターたちは、とても大きな影響力を持ち、インフルエンサーマーケティングも盛んに行われています。
そのためその影響力はYouTubeというプラットフォームを飛び出し、クリエイターと企業のコラボ商品を多数発売するだけでなく、オフラインのイベント出演や、蔡総統の公式Instagramに有名YouTuberが登場し、共に福祉活動をアピールするなど、社会全体へと活動の幅を広げています。

それに加えて、台湾YouTube界の2020年頃の変化として、登録者数は爆発的に多くはないものの、コアな内容で視聴者を引きつける中規模のクリエイターが急成長している傾向にあります。彼らの特徴としては、視聴者と距離が近いということもありコンバージョン率が非常に高いとされています。したがって、自社のPR商品のターゲットとクリエイターの視聴者層が一致した場合に高い効果が期待できるため、企業のマーケティングに積極的に起用される傾向が高くなっています。


Podcaster

microphone-12019年は「台湾ポッドキャスト元年」と言われているぐらい、一気に音声メディアが普及しました。これまで台湾における音声メディアは日本と同様ラジオはありましたが、台湾人スタッフに聞くと「おじさんが聞く古くさいイメージ」というものだったそう。またポッドキャスト自体は以前からありましたが中国語で制作される番組が少なかったため、一般的には浸透していませんでした。

しかし、台湾発の音声メディアを運営するスタートアップSound On社が2019年にローンチしたポッドキャストサービス「Sound On」で状況が一変。Sound On社自ら中国語でのオリジナル番組の制作を手掛けただけでなく、同じくSoundOn社がリリースした「SoundOn Hosting」というアプリで気軽に発信が可能になったことから、配信者側の人口も増加。番組が増えた結果、一気にリスナーが増加し、多くの人気番組が生まれポッドキャストが浸透しました。

その人気爆発を象徴する番組が「百靈果News」という国内外の時事ニュース系を紹介するチャンネルです。
通勤時間にサクッと聞けるだけでなく、パーソナリティの男女二人組の軽快なトークも人気の理由。二人は「台湾ポッドキャストの教祖」とも言われています。
またポッドキャストからさらなる派生した形で人気を集めるのが「大人學」というチャンネルです。元々「大人學」の名前で自己啓発系のWebメディアやコンサルティング会社を運営していた関係から、一部のビジネスマンには認知度があった「大人學」。ポッドキャストで社会人向けに自己啓発やキャリア開発などのトークが話題を呼び、一気に人気番組の仲間入りとなりました。その結果、本家の「大人學」のインターネット講座にまで人気が飛び火。比較的値段設定が高いコースでもすぐに申込定員に達するなど、ポッドキャストがきっかけで、元々のビジネスまで大きく飛躍したケースとされています。

Facebookコミュニティ

Facebook

日本においてはFacebookは「もう過去のもの」というイメージがありますが、台湾ではまだまだFacebookは大きな役割を果たしているSNSです。政府や一般企業も積極的に運用しているだけでなく、ホームページは開設せずに、Facebookページをその代わりにしているブランドや飲食店も多く見られるのが台湾社会です。
そのFacebookの中でもグループ機能を活用したこのコミュニティページは、公式のものだけでなく非公式のページなどさまざまな形態が運営されています。ユーザー視点で見ても役に立つ情報が流れており、さまざまな内容が活発にやりとりされているのが現状です。

またFacebookコミュニティ自体は、コミュニティページ自体をフォローするだけで、自分に通知が来る公開制のものもありますが、入会に審査が必要なもの、コミュニティ内にルールを設けている会員制のものもあります。そのため、悪意のある投稿者は強制的に退会させたり、ステルスマーケティング(ステマ)を禁じている所も多く、安心して参加できるコミュニティとして参加できるのです。

110万人越えの非公式のページも台湾生活に欠かせないスーパー・家電

筆者も参加しているコミュニティページが、台湾で最も出店数が多い国民的スーパー「全聯福利中心(Pxmar、通称”全聯”)」のコミュニティページ「我愛全聯-好物老實説」。こちら非公式にもかかわらずメンバー数はなんと110万人という超巨大コミュニティページになっています。投稿の内容は全聯で買った食材を使った料理の投稿や「ピザを買いたいんだけど、どれがおすすめですか?」など商品を紹介する内容がほとんど。一つの投稿に当たり、100件以上コメントが書き込まれることもよくある光景で、公開コミュニティでありながら、とても治安が良いのも特徴です。

中には「この商品は微妙だった」という不満など正直な意見も投稿されていることから、かなりフラットな情報を手に入れることができるのも人気の理由ではないでしょうか。同じくコミュニティに入っている同僚曰く「このページに投稿されて、買いに行こうと思ったら品切れてた、みたいなこともよくある」とのこと。このコミュニティページの影響力は実はとんでもないのかも知れません。


また同じく一家に一台あるとされており、日本でも人気が出てきている台湾の国民的家電「大同電鍋」もオフィシャルコミュニティページ「大同電鍋好用五十年」を運営しています。主に投稿されているのは「大同電鍋」を使ったレシピ。家庭料理はもちろんのこと、台湾グルメの代表格である「牛肉麺」やラムチョップなど「これ、大同電鍋でできるの!?」というものばかり。そしてこちらも公開コミュニティという事もあり、投稿をシェア数が多いのも特徴です。


家電紹介系クリエイターのコミュニティ「1620 夫妻生活」

台湾ではSNSで大きな影響力を持つクリエイター自身が、会員制のFacebookコミュニティを運営しているケースも多々あります。生活用品や家電、リフォーム系の動画を出す「1620 夫妻生活」もその一人。元々は旅行系の動画を多く撮影していましたが、2020年に入ってから家電レビューやリフォーム系の動画に切り替えた結果、とても詳細で実用に即していると人気を集めています。

そして公式Facebookページとは別に運営しているFacebookのコミュニティは会員制で運営しており、現時点で3万人に迫るほどのメンバーを獲得しており、7月末に確認したところ、1週間で500人以上も参加者が増えるなどとてつもないスピードで成長しているコミュニティです。
そして、このFacebookコミュニティの大きな特徴として、中国語で「團購」と呼ばれる台湾だけでなく中国・東南アジアでよく行われる共同購入をコミュニティ内で案内しているという点です。


台湾で生活していると、お得情報大好きな台湾人の知り合いや親戚間などから日常的にお誘いが来るのが共同購入。その共同購入ができるコミュニティをクリエイター独自で開設しただけでなく、「正直な感想を紹介する」とクリエイターの姿勢が結果的に信頼度につながり、紹介した商品の購入リンクをコミュニティ内で限定案内することでお得に購入できる、というファンもクリエイター、そして依頼する企業側もみんながWin-Winな関係を保っている例といえます。

大人気料理系コミュニティとのコラボ事例「灶神在家×アーネスト」

すでに多くのファンを持つ有名Facebookコミュニティと企業がコラボレーションを行い、相乗効果をもたらした事例をご紹介します。
家庭料理などのレシピなどを紹介し、27万人以上のフォロワーがいる料理系Facebookページ「灶神在家」。レシピの紹介だけでなく、家庭料理の配達やオンラインやオンラインの料理教室なども運営してます。Facebookページ内にフォロワーが投稿できるコミュニティを覗くと、実際に灶神在家で紹介されたレシピで料理をした人たちの投稿がたくさん見ることができます。

その「灶神在家」とキッチン用品を販売している日本企業「アーネスト」がコラボを実施。アーネストの鉄鍋を使った料理の紹介動画や購入キャンペーンを行ったところ、大きな反響が。その影響の一つとして、アーネストの台湾向けFacebookページも「いいね!」数が一気に増えるなど、多くの台湾人への認知のきっかけとなりました。

 

台湾インフルエンサーを取り巻く環境の変化とは

クリエイターエコノミーの到来

FJ234_Attitude_2

社会の変化に伴い、YouTuberやインフルエンサーなどを取り巻く環境は凄まじいスピードで変化してます。クリエイターが大きな影響力を持った現在、「クリエイターエコノミー」と呼ばれるすべてクリエイター主体で行う新しい経済活動の形が生まれています。クリエイターの情報発信や働きかけだけでなく、クリエイター個人のスキルでマネタイズを行い、ファンや視聴者が購入することで消費活動が行われるクリエイターエコノミー。このクリエイターエコノミーの市場規模が、2021年5月時点で1,042億ドルとされており、これからの新たな経済圏として拡大傾向とされています。

そのような流れを受けて日本も、HIKAKINなどの人気クリイエターが多数所属する「UUUM」や「Note」「BASE」などが共同でクリエイターが自由で安全な活動を促進するのを目的とした「クリエイターエコノミー協会」を2021年7月に設立しています。

台湾の事例でいうと、すでに代理店を通さずにクリエイター個人にスポンサーが出資し番組を行う例も出てきています。その一例として男性カップルクリエイター「FJ234」がYouTubeチャンネルで制作したリアリティ番組「FJ234 Make a Diva」も多くの企業サスポンサーとして参加・商品提供を行っており、Podcastでもある日本企業がクリエイターに対してスポンサーになるなど同様の傾向が見られます。

参考:

 

台湾で成功したDtoCの事例

阿神眼鏡封面照

「D to C」は「Direct to Customer」の頭文字を取ったもので、これまでの「BtoC」とは異なり、商品特性やブランドの世界観を直接消費者にリーチするマーケティング手法になります。今回はこのDtoCの事例でインフルエンサー自身が商品開発を行い、成功を収めているマーケティング事例をご紹介します。

最初に台湾のゲーム系チャンネルとしてとしてチャンネル登録者数268万越えを記録し、トップクリエイターとして人気の「阿神」。またゲーム系チャンネル以外にも「搞神馬」名義のチャンネルも登録者数が100万人を超えるなど、台湾ではトップYouTuberとして活躍しています。
そんな阿神がセルフプロデュースしたメガネが2021年6月に限定発売されると、初めての試みながら発売から僅か5分で完売。そのあまりのスピードに台湾メディアなどでも話題のニュースとして取り上げられました。

またここ一ヶ月で話題になったのは、グルメをメインにレビュー系の動画を投稿しているクリエイター「古娃娃(WawaKu)」が立ち上げたプロデュースブランド「WA!COOKIES 」が発売したアイスクリームです。「WA!COOKIES 」は元々クッキーなどを販売していましたが、7月2日に発売された「濃厚鉄観音チーズクリーム味」と「アールグレイココアチーズクリーム味」の二種類のアイスを台湾の大手スーパーとファミリーマートで販売。するとたちまち話題となり、動画内でも本人が1ヶ月で10万個売れたと発言するなど、現在でも大ヒット発売中です。(筆者もこのような背景と知らず購入しましたが、美味しかったです……!)

大反響!NFT×インフルエンサーの事例

阿卡貝拉_nft

ここ1年で急激に耳にするようになったNFTという新しいアートの形。これまでデジタルアートは簡単にコピーができるためインターネット上の市場取引は難しいとされていましたが、ビットコインのような暗号資産と同じブロックチェーンを活用しているNFTは、偽造やハッキングができないような技術として注目されています。実際にNFTもDtoCの事例として今後クリエイター個人がビジネスとして活用しているケースも多く、すでにあるアーティストが制作したNFTに関して数億円の値がつくなど、クリエイターエコノミーを語る上でとても重要な分野になります。

台湾の事例では、女性カップルクリエイター「阿卡貝拉CACA&BELLA」がチャンネル登録者数30万人突破と台湾の同性婚法制化1年を記念し、同性カップルクリエイターとしてはアジア初めて、そして台湾のYouTuberとして初の試みとしてNFTを販売。わずか1時間で完売。今後のクリエイターの活動の幅が更に広がる予感を感じさせる出来事となりました。

これ以外にも、中国の大手IT企業「アリババ」の創設者であるジャック・マー氏が保有するファンドも香港を拠点とするNFTに特化したゲーム会社に投資したり、香港でも人気ショッピングモールでNFTの展示会が開催されるなど、中華圏でこれから大きな発展を見せそうなNFT市場。また新たな動きがあればご紹介したいと思います。



関連記事:

まとめ

これまではインフルエンサーの活躍の場所は、YouTubeやInstagramなどのSNSプラットフォームの中に留まっていましたが、台湾でもこの1〜2年でその枠を大きく飛び出して活躍するインフルエンサーが後を絶ちません。特に、SNSネイティブ世代がどんどん増えていく中で、クリエイターエコノミーの到来は大きく今後のマーケティング施策に影響を与えると言っても過言ではないでしょう。

台湾をはじめとする中華圏最大級の独自クリエイターネットワークを有するカプセルでは、さまざまな方法でインフルエンサーマーケティングを実施。最新の台湾のインフルエンサー市場を熟知していますので、今後台湾でのマーケティングを検討されている方は是非一度ご連絡ください。

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