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台湾モバイル決済サービスとキャッシュレス事情まとめ【2020年最新版】

Aika TACHIBANA
Posted by Aika TACHIBANA on Jul 1, 2020 3:09:49 PM

日本でもたくさんのモバイル決済サービスが発展していますが、台湾でもここ数年で急激に決済サービスが発展を遂げています。

この記事では、台湾の決済サービスと最新モバイル決済事情を、実際に使われている決済サービスの紹介もあわせてご紹介したいと思います。

 

・台湾の決済サービスの概要

・台湾モバイル決済ランキングと各サービスの違い

関連記事:台湾進出すべき?台湾のマーケット戦略をまとめてみた

 

台湾の決済サービス概要

①日本と台湾のキャッシュレス事情の違い

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夜市の屋台や、小さな個人商店、タピオカミルクティなどを販売するドリンクスタンドなど、小さなお店がたくさん軒を連ねる台湾では、現金しか使えないところが多くありました。またモバイル決済が出てくる前は、日本と同じように電子マネーも使われていましたが、日本のように種類は多くありませんでした。

 

台湾の電子マネーで代表的なのが、交通系ICカードの「悠遊卡(ヨーヨーカー、英語名:EasyCard)」。台北市政府系企業が発行している交通系ICカードの悠遊卡。台北だけでなく北部エリアで良く使われています。大学生だと学生証そのものが最初からこの電子マネー機能が一緒になっていることもあり、この学生証兼ICカードで支払えば、何も申請しなくても自動で学生割引が適用されます。

 

台湾南部の高雄市で使われている「一卡通(イーカートン、英語名:iPASS)」も、上で紹介した悠遊卡と同じ交通系電子マネーになります。

 

②台湾政府のキャッシュレス化政策

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2025年までにキャッシュレス化90%を目標に掲げる台湾政府の政策もあり、2019年度の調査によると、スマートフォンを使ったキャッシュレスの使用率は62.2%まで上昇してきました。その中でも45歳から65歳の中高年層の使用率が上がっており、全体の利用率の半数を占めています。

このように台湾政府がキャッシュレス化を進める背景としては、「国民が便利な生活を送れるように」という国民向けの理由があります。さらには、台湾で大型国際イベントが開催され、海外からの観光客が台湾を訪れた際に、モバイル決済を通じて台湾は利便性の高い場所だと感じてもらいたい、という狙いもあるようです。

 

直近では、コロナウイルスの流行によって、人と人との接触を避けるためにキャッシュレス化が加速してるという側面もあるようです。(参考記事:コロナ収束に向かう台湾。台湾市場の最新動向と動き出したマーケティング施策

参考:調查 Visa金融卡 逾8成年輕人曾使用

   政府全面動起來,加速行動支付發展

 

②台湾のモバイル決済事情

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現在台湾では、一万軒以上のコンビニ、大型量販店、飲食店がキャッシュレスの決済が可能になっています。台湾政府の経済産業省にあたる経済部も、120社以上の台湾企業に対してキャッシュレス普及のために補助を行った結果、8万9000箇所でキャッシュレス決済が対応可能になり、7000万人が利用したと報告されています。

 

また、2019年には小規模の個人商店に対しても、台湾政府は税金優遇措置を行い、6000軒以上の小規模店舗がキャッシュレスの申請を行ったとのこと。

 

実際に台湾人スタッフに話を聞いたところ、昨年あたりから急激に街中でモバイル決済が増えてきた、という実感があるようです。政府のキャンペーンにあわせて、3%のキャッシュバックなどのキャンペーンも行われた結果、多くの人がキャッシュレス決済を利用するようになりました。

 

参考:中華民國國家發展委員會 行動支付普及率創新高 邁向數位國家新生活

 

台湾モバイル決済ランキングと各サービスの違い

①台湾モバイル決済利用率

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台湾市場において、モバイル決済利用率シェアのトップは「LINE Pay(ラインペイ)」になります。ですが、加盟店数でいうと「街口支付(ジェイコペイ、英名:JKOPAY)」が65,000店舗以上と、「LINE Pay」の加盟店50,000店舗を抜き、最多になっています。

 

「LINE Pay」が一番使われている理由について、台湾人スタッフに聞くと、「LINE Pay」の方が普段から友人とのコミュニケーション手段としてLINEを利用しているからこそ、使い始めるハードルが低かったからでは?ということでした。

 

街口支付の方が、最初に台湾の有名な夜市などに導入を始めていったという戦略的な部分もあり、一気に加盟店舗が増えていったようです。結果として現状は「LINE Pay」「街口支付」が2強で、どちらも使える店舗をよく見かけます。

 

参考:台灣行動支付大亂鬥:這麼多種「Pay」,誰能成為最大贏家?

 

②利用者No.1「LINE Pay」

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台湾で一番利用されているモバイル決済サービスの「LINE Pay」には、使い方が2通りあります。

 

ひとつは、QRコードや「LINE Pay mini」という専用機械を使った決済方式です。QRコードの読み込みによる決済方式は、日本と同じようにQRコードを店頭に張り出すだけで、店舗側は気軽に導入できるのが特徴です。

 

また、「LINE Pay mini」は、店舗側が新たにレジ打ちを新調しなくても、この「LINE Pay mini」をおくだけで簡単に導入できる決済サービスです。QRコード式は、金額を買い物客が入力しないといけないため、たびたび間違いが起こるのが難点でした。しかし「LINE Pay mini」だと店舗側が金額を入力するため、入力間違いも起こりにくいのが大きなメリットです。機械のレンタル費用も1ヶ月300元(約1000円)と安くレンタルすることができ、「LINE Pay mini」が台湾で導入された当初は3〜5%のポイント還元キャンペーンを実施しています。

 

もう一つの決済方法は、台北南部の高雄市の交通ICカード「一卡通」と連携して使用することができる使い方です。こちらはチャージ方式で使用でき、高雄市のMRT(地下鉄)でも利用することができます。

 

②行政系の支払いで大活躍!台灣発「街口pay」

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街口支付(JKOPAY)」は台灣発のモバイル決済アプリです。クレジットカードが必要な「LINE Pay」とは違って、銀行口座があれば利用できます。そのため、クレジットカードを持っていない学生でも使用でき、友達同士のお金の送金なども簡単にできるので、大変人気な決済アプリです。

 

「街口支付」の特徴としては電気料金や水道代、税金などの公共料金や、行政が運営している駐車場料金や学費までもこのアプリで支払いができるなど、生活インフラに深く根付いているという点です。我が家もこのアプリを通じて電気代や水道代を払っていますが、ポイントがどんどん溜まっていくのを実感しています。

 

また、「街口支付」のユニークな戦略として「LINE Pay」と比べたら資金力が劣るため、田舎の小さな商店や夜市の屋台、そしてタピオカドリンクなどを売っている街の小さなドリンクスタンドなどの生活に身近な小規模店舗からの普及を図り、そこから都市部の大規模店舗への普及戦略をとったことです。

 

この戦略は、台湾人が普段から頻繁に屋台に足を運ぶ点に目をつけ、夜市の屋台の経営者たちに対してもモバイル決済が現金に比べて衛生的であることに加えて、台湾で時々出回る偽札を自分の店舗で使われる心配がないというメリットを説き、、徐々に次第に浸透させていきました。

参考:台灣行動支付大亂鬥:這麼多種「Pay」,誰能成為最大贏家?

 

③台湾の主婦層に圧倒的な人気!大手スーパーの「PXpay」

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こちらのデータにあるように、日本でも年齢に上がるについてモバイル決済の使用率が減っていますが、台湾において、中高年層のモバイル決済利用率が一気に使用率が上がったと言われるのが、台湾の大手スーパー「全聯福利中心(PXmart)」が発行している「PXpay」の導入です。2019年5月にリリースされたこのモバイル決済は、40歳以上の使用者が62%。50歳以上の利用者が27%で、多くは女性が使っているのが特徴です。

 

ここまで中高年層に普及した理由としては、「PXpay」がいくつかキャンペーンを行ったから、と言われています。その一つがお会計の際に、あえて店員から「PXpayのアプリはダウンロードしましたか?」とは言わずに、「100元分(約300円)の無料チケットは受け取りましたか?」と、日々のやりくりに目を光らせる主婦層が好みそうな声がけのキャンペーンを行いました。

 

また、いつも利用する店舗の、すでに顔馴染みになっている同世代の店員から、主婦層に向けてアプリの利用を勧めたことで、一見難しそうなモバイル決済に対して心理的なハードルが下がるように、アプローチを行った結果、利用者が増加しました。

 

実際に、わたし自身はこの決済アプリを使用せずに、このお店のポイントカードを利用していますが、店員さんから「今日モバイル決済で支払うとポイント倍になるけど、どうする?」と、今でもよく声をかけらます。そして、台湾の人口の5分の1にあたる、500万人以上が登録しているこの決済アプリは、生活に根付く大手スーパーならではの戦略で、展開に成功した事例といえるでしょう。

参考:全聯如何讓沒聽過行動支付的婆媽粉,變PX Pay主力用戶?

 

④日本人が台湾で決済サービスを使うなら?

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一番簡単なのは、交通系電子マネーの悠遊卡です。これは台湾の銀行口座が必要なく、地下鉄の駅やコンビニでチャージさえできれば、交通機関だけでなくコンビニなど様々なところで決済が可能です。

 

日本でも普及している「LINE Pay」を台湾の店舗で利用する際には、現時点では日本のクレジットカード払いなら利用ができるようですが、エラーが出て利用できないこともあるようですので、台湾で利用する際は自己責任でご利用ください。なお、台湾の「LINE Pay」を使用するには、台湾の携帯電話番号を用意した上で、改めて台湾版LINEアカウントの登録が必要になるため、ハードルが高いです

 

このような理由から、台湾で銀行口座を開設することができれば、「街口支付」をおすすめします。公共サービスの決済など生活に密着したサービスはほぼ、「街口支付」で完結するため、CAPSULEで働く日本人も利用しています。

 

まとめ

台湾人スタッフによると、ここ1年で街に急激に普及していったという台湾のモバイル決済サービス。今回のコロナウイルスの流行でより一層、台湾社会に根付いていくことが予想されています。わたし自身、台湾で積極的にモバイル決済を使っていませんが、これから積極的に利用してまた新たな発見等ありましたら、追記してご紹介できればと思います。

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