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中国モバイル決済サービスとキャッシュレス事情まとめ【2020年最新版】

Aika TACHIBANA
Posted by Aika TACHIBANA on Sep 9, 2020 2:50:16 PM

今や世界中で発展しているモバイル決済サービス。世界一の人口を誇る中国も例外ではなく、中国ならではの独自の決済サービスも著しく発展しています。

この記事では、中国の決済サービスとモバイル決済事情を、実際に使われている決済サービスの紹介とあわせてご紹介したいと思います。

・中国キャッシュレス事情と政府の対策 
・中国モバイル決済ランキングと各サービスの違い

中国キャッシュレス事情と政府の対策 

①中国と日本とのキャッシュレス事情の違い

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 ある報告書によると、2015年の時点で中国のキャッシュレス決済の比率は60%で、日本の18%を大きく引き離しています。そしてモバイル決済の市場規模も、2018年の時点で中国でのモバイル決済金額が約4,709兆円…!2013年からの5年間で約27倍に拡大しています。

ここまでモバイル決済が進んだ背景として、スマートフォンの所持率が高かったことに加えて、中国ではクレジットカードが従来から普及しなかったこと、そしてモバイル決済を導入するにあたり、店舗側も導入コストが低く、使用者側にとってもスマートフォンで気軽に始められたこともモバイル決済が一気に普及した要因とされています。

②モバイル決済が急激に進んだ中国政府の二つの政策

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 中国のモバイル決済サービスを発展した上でポイントとなるのが「走出去」と「一带一路」という二つの政策です。

1990年の末から提唱された「走出去(Go Global)」政策は、中国企業の国際化や海外進出を促す政策です。このような国家戦略もあり、次々と中国企業が海外進出を果たし、現在では中国人ビジネスマンが数多く世界中で活躍しています。

そして、2013年に打ち出された「一带一路」は、中国が推進する巨大経済圏構想のことです。この構想は、中国を含めたアジアとヨーロッパを陸路と海上航路でつなぐ物流ルートを作ることで貿易を活発化させ、経済成長につなげようというものです。

現在、中国は海外との貿易でもモバイル決済を使用してます。理由としては、国際貿易でモバイル決済を使うと、海外との貿易での一つの懸念点となるお金の回収率が上がり、海外に進出している中国企業にも利便性が高いからとされています。

③上海在住中国人スタッフに聞いた中国モバイル決済の現状

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2018年の中国のモバイル決済取引規模は最新のデータによると2019年度は300万億元(約4600兆円)と前年度よりさらなる成長を遂げています。

この背景には、2015年12月に交付されたモバイル決済の使用のルールや制度の統一などの法令が整備されたこともあり、ここ5年ほどで猛スピードで成長したようです。2019年には顔認証でのモバイル決済が街に登場!2020年1月には生体認証の関連法案も発表されました。

そして中国のモバイル決済はすでに衣食住に浸透しており、オンラインからオフラインまでモバイル決済を使う場面は本当に多いというのが今も中国で暮らす弊社スタッフの感想です。

ですが、このようにモバイル決済が盛んなのはまだ一部の都市に留まります。中国は各都市を様々な指標でランク付けしていますが、いわゆる大都市に当たる一級から二級の都市のモバイル決済は盛んですが、発展の余地がある三・四級の都市のモバイル決済はまだ十分に浸透しているとはいえないとのこと。逆に言うと、中国のモバイル決済市場はまだまだこれから成長の余地があるともいえるでしょう。

中国モバイル決済ランキングと各サービスの違い

①中国市場でのモバイル決済利用率  

2020年第1四半期中国第三者モバイル決済サービスのシェア

今回は、中国ネットリサーチ大手の艾瑞が2020年6月に発表した2020年の第1四半期までのモバイル決済サービスのシェアに基づいてご紹介いたします。

今回紹介するのは中国では「第三者決済」と呼ばれる決済サービスになります。「第三者決済」は、中国の政府系銀行である「中国人民銀行」が管理監督を行い、銀行以外の異業種が利用者に提供する決済サービスで、日本でいうと「PayPay」や「LINE Pay」が「第三者決済」に該当します。

 

その他のモバイル決済として、銀行が発行しているサービスもありますが、2019年の時点で決済件数では第三者決済が銀行のサービスを大幅に上回るなど、普段の買い物から第三者決済が普及していることが見えます。

データを見てみると、中国のモバイル決済のシェアは、

・アリババグループが提供する「Alipay(アリペイ)」

・中国最大のSNSプラットフォームを運営するテンセントが提供する「財付通」

 

が全体のシェアの94.1%を占めています。「財付通」はテンセントが提供する2つのSNSに紐付いた「WeChat Pay」「QQウォレット」の二つの決済アプリを提供していますが、現在は「WeChat」が中国人ユーザーの中で主流で利用されていることから、実際は「Alipay」と「WeChat Pay」の二強といっていいでしょう。

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②利用者No.1の中国モバイル決済の圧倒的王者!「Alipay」

alipay-1024x640中国の大手IT系会社のアリババが提供しているモバイル決済サービスが「Alipay」です。元々はこちらの記事でもご紹介したアリババが運営するECサイト「タオバオ」のみで使えるEコマースでしたが、2004年に決済サービスとして独立しました。

決済方法もQRコード決済はもちろんのこと、水道代や電気代などの公共料金の支払いなど、様々な機能を有しています。先ほどご紹介した顔認証での決済ができるサービスも開始しています。

中国在住スタッフによると、「Alipay」にはとても安心感を感じているとのこと。理由は、「Alipay」は決済サービス独自のものとして独立していることから情報漏洩などの心配がないとのこと。そういった点もあり、大きく中国ではシェアを占めているのかも知れません。

③ある文化に便利な機能で一気に大ブレーク!「WeChat Pay」

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「Alipay」よりは遅くリリースされた決済アプリである「WeChat Pay」。唯一「Alipay」の競合対象として見られているモバイル決済サービスです。

「WeChat Pay」は市場に入るに当たり、中国人が旧正月やお祝い事でよく渡す中国版お年玉「紅包」の機能を搭載させたことで、一気にブレークしました。

大きな特徴は、SNSアプリ「WeChat」のアプリが必要と言うことです。ですが、「WeChat」自体が中国で最も利用されているSNSアプリなので、多くの人がすでにダウンロードしていることから、気軽に始めることができたのが「Alipay」との大きな違いです。

また、チャット機能を使い友達にお金を振り込めるだけではなく、お店側も「WeChat Pay」を使って購入したカスタマーに対して、チャット機能を使って接触することが可能です。
実際に使うと便利で操作もシンプルでだから人気の秘密では?とCAPSULEの中国在住スタッフは話していました。

 

まとめ

前回ご紹介した台湾のモバイル決済事情とはまた違った中国モバイル決済事情、いかがだったでしょうか?個人的に一番驚いたのが、2019年の時点ですでに顔認証での決済が街に普及しているということ。これから日本や台湾にも普及していくのかな?と思いました。

中国はトレンドの移り変わりが本当に早く、最新のトレンドを正確に捉える必要がある市場です。モバイル決済は特にいま変化が激しい成長が著しい市場ですので、また新たな動きがあれば、お知らせします。

Topics: 中国マーケティング